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「全てを捧げてくれた人+」11 ページ33

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それから他愛のない会話を主にジンさんがして、夜が更けて行った。

夕食にはジンさんがピザを頼んでくれた。

もちろんおごりで。


終始おもしろくなさそうにしていたキム テヒョン。

ずっと私の隣を離れなかった。


私がトイレに立つと「どこ行くの?」と、ぐいぐい袖を引っ張る。

その姿を見てジンさんは困ったように笑うのだった。


「Aちゃんお酒飲める?」

「少しだけなら」

「じゃあ飲んじゃおうよ!実は持ってきてるんだ〜」

そう言ってジンさんは車の中からお酒のビンを持って現れた。


「テヒョナは?」

「飲まない」

「じゃあ俺とAちゃんだけで飲むね」

「…俺も飲むよ」

「オッケー。Aちゃん、グラス3つある?」

「あ、はい。持って来ますね」


そう言ってキッチンへ行くと後からテヒョンも子犬のように付いてくる。

まるでブイだ。

そして私にしか聞こえないくらいの小声で呟いた。


「お酒、飲めたんだ?」

「うん…」


そう言えば彼の前で飲んだことはなかった。

飲むようになったのはジョングクと暮らしてからだ。

ジョングクがあまりにも美味しそうにビールを飲むから。

「美味しいの?」と聞いたら、次の日に甘いお酒をたくさん買って来てくれた。

「試しに、少しずつ飲んでみたら?」と。


それから少しだけどお酒を飲むようになった。

特別強いわけでもないから、そんなに飲まない。



3人分のグラスを用意すると、真っ先にジンさんが注いでくれた。

「なんですか?これ」

「ポップンジャの新商品だよ〜」

「へえ。いただきます」


コクリと一口。

甘酸っぱいベリー系の味が口に広がり、心地のいい気分になる。

普段お酒を飲まないらしい彼も、こればかりは美味しそうに飲んだ。


「ヒョン、今夜どうするの?」

「んー。ホビに迎えに来てもらうのもいいんだけど、泊まっていい?」

「は?」

「だってここ元は俺の家だし。久しぶりに来たら帰りたくなくてーー」

「…」

「ど、どうぞ、泊まっていってください」

「ありがとうAちゃんー」


ちょっとテヒョンが怖かったけど、ジンさんにはお世話になっているし。

それは彼も思っているのか、嫌な顔はするけど否定や拒否はしたりしない。


「じゃあ俺はこのリビングで寝るから、布団貸して」

「え!?お部屋で寝てください!」


かなり大きい家だから、部屋はたくさんあった。

彼にも承諾をいただいて、ジンさんは私たちの寝室の隣の部屋に泊まった。


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優桜(プロフ) - 更新してくださって本当にありがとうございます(T ^ T)そして完結おめでとうございます!!2人が幸せになれてとっても嬉しいです…!!ソランさんの新作楽しみにしてますね! (2020年12月7日 17時) (レス) id: bc64499760 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - 皆さんお待たせいたしました!本当に長いことお待たせしてしまい、大変申し訳ないと思っております…(T ^ T)全部書き切ることができてスッキリしました!またちょっとお休みして、新作も書き進めて行けたらなと思います。ですのでまたいつかお会いしましょう〜 (2020年12月7日 12時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
うみ - この作品、一番好きだったので続編とても嬉しかったです。ほんとにキュンキュンします。テテカッコ良すぎです!更新頑張ってください! (2018年3月5日 7時) (レス) id: 8e28afa81e (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 両作品とも、ほんとに大好きです(;Д;)(;Д;) (2017年9月27日 16時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
どぅぶ - キュンキュンしすぎて死にそうです。大変ですが更新頑張ってください!! (2017年9月11日 2時) (レス) id: 1b67b0d428 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ソラン | 作成日時:2017年5月14日 21時

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