四話 ページ5
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「帰りたい…。」
今はポートマフィアと何かの組織が抗争をして居る。
太宰さんの命令で戦場に来たは良いのだが、否、良くはない。
僕は芥川龍之介に成り代わった元一般女性である。
親友から、純粋純粋言われ育った孤独が嫌いなヘタレ人間が僕である。
「攻撃せぬのか貴様…。」
「だって言われたのは戦場に行ってこいだけだもん…。攻撃しろとは言ってないし…。」
僕はあの後また目覚めた時死にかけであった。
そこを太宰さんに拾われたのである。
その日から芥川さんは僕の守護霊的存在になっている。
「雪ッッッ!避けろッ!」
「はいっ!?」
少し首を傾けた瞬間、先程まで顔があったはずの場所に弾丸が通過した。
死んだかも知れない…、そう思うと無意識に体は動いてその場を後にした。
「…、ここでいっか。」
そこは抗争のど真ん中というわけではないが、抗争の中ではあるが落ち着いている場所であった。
僕のようなヘタレにこんな場所、早いのではないか…?っと切実に思う。
「先程の事がないよう、空間断絶で自分を守るぐらいしたらどうだ。」
「…、天才ですか?」
空間断絶で空間を遮断していれば僕は無敵ではないか!何故忘れていたのだろう…。
否、僕が馬鹿であるからだろう。
…、流石に空間断絶という絶壁の中孤独で居るのは15歳のこの身によく染みる。
元々孤独は嫌いである、故に僕は涙脆い。
こんなときは何時も親友が傍に居てくれたものだ。
ふと、この世界でも親友は居るのか、そう、疑問が浮かんだ。
そんな妄想に浸っていたが、既に孤独を感じていたせいで僕は気持ちの制御が疎かになっていた。
ダメだ、これは泣く。
そう確信した瞬間、目から雫が零れた。
勢い任せに、外套で顔を覆い、僕は孤独の中に溶けた。
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作者名:雨川秋 | 作成日時:2023年10月24日 0時