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十一話 ページ12

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「―――遠慮させてもらいます」



ポートマフィアに勧誘された。
まぁ其の理由は、私がポートマフィアの情報を売らないようにする為だろう。
純粋に情報を利用したい、と云うのもあるのだろうが。


何方にせよ、私はポートマフィアには入らない。
面倒だし、私が最も恐れ嫌いなものが付きまとう。そんな世界に行きたくない。



「へぇ、其れはまた……。君にとってメリットは多いと云うのは判っているだろう?」

「ええ勿論。親友と会う事が許され、ポートマフィアの護衛がつく。
普通の情報屋なら二つ返事でしょう。其れが"普通の情報屋"なら、ですが」









―――「■ぬのは■い。

■なんて大■いだ。何故そんな■■を■ったのだろう。
■なんて■■れば■いのに。
■■日々迫る■に■えて■ごさなければ■■ない?

■なんて、■■れば全て■だった」―――
嘗て、親友にそう言った。


今でも、本当に、私は其の存在が大嫌いだ。



「………君と私は、似ているようで全然似ていない」

「……そうですね。ハッキリと違う部分が私達にはあります
だから、貴方の気持ちを理解することは、一生できないでしょう」



私の親友に目線を向けると、前と変わらない瞳をしていた。
純粋で無知で、何一つ濁りのない瞳。
―――其の瞳が少し羨ましい。



「……君は、芥川君を如何思ってるの?」



私が親友に目線を向けているのに気付いたのか、太宰さんは私にそう訊いた。



「そんなの、私にも判りません。
私は頭が悪いので、自分の思考すら判らないのですから」

「そうかな。判りすぎてるだけじゃないの?」

「何でそんなに話し掛けてくるんですか」



先程からの太宰さんの質問攻めが怖い。
何故そんなに話し掛けてくるんだ………。

三次元に帰りたい。
そう云う呪い(まじない)があった気がする。



「雪………」「え……?」「……」

「其れ会話なの?」



立派な会話だ。
「雪………助けてくれないかな……?」
「え……、無理だよ、相手あの太宰さんだぞ……?」
「………」と話していただろう。



「……君達、仲が良いんだね」太宰さんがそう云うと、全員が一気に回答した。

「貴方が思うならそうなのでしょうね」と私。

「思わないなら違うみたいな云い方をするな……雫……だったか」と芥川君。

「雫さんそう云う人なんだよね」と敦君。

「仲良いですよ僕達は!!」と親友。



………何だか、とても賑やかになった気がする。

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作者名:雨川秋 | 作成日時:2023年10月24日 0時

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