溶けゆくも、氷晶 ページ49
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───あの『手記』には、
未来の事が書かれていた。
私がこの手記の存在を知っている事を
彼女は知らない。
二年前に、彼女が捨てようとしていた本の中から、偶然見付け出して、私が保管していたものだ。
古びた白銀の手記だった。
否、手記というよりかは、
其れは余りにも小説のようだった。
本の表には、古い銀色の刺繍で、一人の人物の名前が書かれていた。
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井伏 Aと────
其れが一体何を示すのか、
この手記の持ち主は、
何処にいる彼女なのか、
ただ、確かな事は、私の命を救ったこの世界の井伏Aに、未来を教授したのも、また井伏Aという人間である事だ───。
手記を閉じて、私は其れを本棚に入れた。
この手記は、私と彼女の他には誰も知らない。
又、私はこの先誰にも語る事は無いだろう。
この奇妙で不可解で、
私という一人の人間を救った
井伏Aと云う物語を─────
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* * *
感謝を捧げます────
『氷晶。』を、
ここまで閲読して下さった皆様へ。
当作品は、前完結作品『薄氷。』と結び付いたものとなっておりました。まだまだ未熟な文章ではありますが、読者様方にほんの少しだけでも楽しく面白い時間を届けられていたら、これ以上の喜びはありません。
もし、宜しければですが、
下のコメント欄にて、感想を頂けると幸いです。
それではまた、何処かで。
──作者より──
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作者名:ワッさん+a | 作成日時:2018年5月21日 23時