芥川しゃんが大好きすぎる芥川愛し隊の狂気的で充実した毎日。

２９，本編に飽きたので太芥と中芥やります。 ページ29

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　僕は貴方が大嫌いだ。


　初めて会ったあの日から、貴方はずっと僕を罵り続けた。それでいて僕は貴方を求め、何度も血を吐きながら戦火へ向かっていった。




(……もう、疲れた)




　貴方がいなくなってからも、貴方の幻が僕を罵って行くや否や背を向け遠ざかってしまう。

　大嫌いな筈の貴方から離れられない僕はやはり無能だったのか。貴方を想う度に肺が痛んで苦しくなる。



(僕はもう、貴方に執着などしない。)



　簡単な単独任務を終えたその日、僕はそう決意した。


† † †


　最近は寝付きが良くなって体調も良好だ。以前まで黒い何かが胸にまとわり付いていたが、それが嘘のように軽くなった。



(それほど貴方を想うことが苦だったのか)



　もう僕は貴方に執着しない。



　＿＿＿＿でも、嗚呼…。それなのに起きると何故毎日こうも涙が出るのだろう。

　貴方への執着を否定すればするほど目の奥が熱くなって、僕に不似合いな透明の雫がぽたぽた落ちる。


† † †

　裏路地に黒い塊があった。今日も今日とて死ねなかった私はその塊に近づく。



(嗚呼、全く…。道で寝るなんて本当に馬鹿だ。)



　黒い塊を見たときから誰なんて分かってはいたけど。前の私だったら容赦なく蹴っていただろう。



「ほら芥川君、何してるの。私は道で寝るなって言っただろう？」



　軽く肩を揺さぶると、少しだけ反応した。気だるそうに瞼を重々開け、私を見るその瞳は、いつ見ても濁っていて、何処かに悲しみを含んでいる。



「太宰…さん。僕は」

「長話はお断りだよ。私は今日も死ねなかったから気分が悪いんだ」



　君が次に発する言葉が私の嫌な物だと分かっていたから。それを遮って、君を抱き締めた。



「僕は、貴方が」



　やめてくれ。私はこんな言葉教えた筈はないよ。

　言うなと言わんばかりに強く抱き締めた。すると嗚咽混じりの声が小さく聞こえた。



「貴方を想う事を止めてから、毎日涙が止まらない」



　なんだ、予想とは違うじゃあないか。嫌いと言われると思った。



「芥川君。私はね、死ねない時は決まって君の夢を見るんだ。君が涙を流している夢を。だから芥川君」



　＿＿＿＿一緒に帰ろうか。君が私を想っていない時が無いように私がずっと傍にいよう。



「…」



　反論が無いのは肯定の印だからね。


＊

　あけましておめでとうございます。


　本編放っていてすみません。

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