第十話 ページ10
食事後、買い物に行くといったら、沖矢さんが駅まで送ってくれた。
運転も穏やか、車内も平和、どこまでも優しくて、工藤邸に来れてよかったかもと思い始めてしまう
私の演技さえばれなきゃ、このまま平和に沖矢さんとの同棲を楽しめるのではないか?
赤井さんが現れたら、もう、この優しさはないだろうなぁ…
駅近くにあるショッピングモールで、無事に首からかけられるスマホケースを手に入れ、すっぽり警察手帳と免許証が入った
とにかく、これをバレないようにしなければならない。
肌身離さず持っていなければ…
あとは、数着首から下げてることをバレにくいような服を買った。
「Aお姉さんっ!」
帰り道、スケボーに乗った見知った少年に声をかけられた。
『こんにちは、コナンくん』
「昴さんとは、どう?」
コナンくんはスケボーからおり、帰宅する私と話す体制をちゃっかりと整えてしまっている
『沖矢さん、とっても優しい人で、私にも気遣ってくれるいい人だったよ』
「頼りになる人だから、Aお姉さんも仲良くなってくれると嬉しいな」
『コナンくんありがとね、昨日会ったばかりの私に親切にしてくれて。あっ!そういえばコナンくん、聞きたいことがあるんだけど…』
「なになに?」
『ここら辺でいいバイト先を知らないかな?』
「う〜ん…それなら、こことかいいんじゃないかな?」
コナンくんは立ち止まった。
そして、ある一点を見つめた。
私はコナンくんの目線を辿る。
その先に見えたもの。
【ポアロ】
何とも見覚えのある名前の喫茶店だった。
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作者名:海扇 | 作成日時:2019年7月18日 17時