第二話 ページ2
自分の名前すら思い出せないという詰んだ状況に絶望を感じた。
私は、ショルダーバックをひっくり返し自分の手がかりを探した。
バックのなかのものを、ベンチにひろげる。
バッキバキのスマホ
家の鍵だと思われるもの
やたら分厚い手帳
中身すかすかな財布
免許証しか入ってないカードケース
ハンカチ
ティッシュ
化粧道具ポーチ
警察手帳
え?
警察手帳?
中身を見ると、AAという名前と自分の顔写真がのっていた。
私、警察官だったの…?!?!
確かに、これは私の顔で、Aという名前にもしっくりきた。
警察として働いていた日々を思い出そうとしたが、もやにかかっているような感じで、しっかりと思いだすことはできなかった。
自分の名前も、住所も、職業も、全て思いだせないというのは、精神がおかしくなりそうだったが、とりあえず名前や住所、年齢などが免許証に書かれており一安心できた。
所持金が四万円しかなく、スマホがバキバキは大分詰んだ状況だけど…
まあ、なんとかなるっしょ!!
自分の住所すら分かれば、もうこっちのものだ。
誰かに聞き、交番にいき、地図やらを貰い、交通手段を聞き、家には辿りつく!
ビジョンが見えたぜ。
よし!そうと決まれば、だれか親切そうな人を捕まえなければ!
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作者名:海扇 | 作成日時:2019年7月18日 17時