第三話 ページ3
「ねえ、お姉さん!」
公園の外に一歩出た途端、子供の声が聞こえた。
声の方に顔を向けると、そこにいたのは特徴的な少年。
めがねに赤い蝶ネクタイ、青いジャケット、赤い靴。
身長的に、まだ小学校低学年だろう。
『ん?少年、どうしたの?』
わたしは、しゃがんで少年と目線を合わせ尋ねる。
「お姉さん、何してるの?」
『何もしてないよ、家に帰ろうと思っていたところ』
「でも、お姉さん、何か困ってるんじゃない?」
おお、この少年凄いな…
私は確かに困っている、ご名答だ。
最近の子供は頭がいいのか…
『少年すごいね!!確かに困ってたところなんだよ』
「僕でよければ力になるよ!」
『じゃあ、君に相談しようかな?』
頭いいからといってこんな子供に相談するなんて、私は記憶と一緒に頭のネジを数本失ってるかもしれない(笑)
でも、不思議なことに、この子を頼れば大丈夫という自信が湧いてくるのだ。
『私はね、AAっていうんだ、君は?』
「僕は、江戸川コナンだよ!」
なぜか、私は、この少年を知っている気がする。
私の記憶が飛んでたとしても、この少年の反応を見るからに初対面だと思うのに…
コナンという名前の響きと特徴的な見た目、頭の良さ…
つい、少年を凝視してしまう。
「…Aお姉さんっ?」
見た目は子供なのに…
大人みたいな頭脳と対応
どっかで聞いた事ある気がする…
『あああああっ!』
コナン!
コナンだ!!!
く、工藤新一!!!
コナンくんをきっかけに道が開けたようにストーリーを思い出すことができた
そうなると、この公園にも納得がいった
そう、米花町じゃん!
名探偵コナンじゃん!
え、私、コナンの世界の中にいるのか…?!
あっぶねぇ…
このまま相談していたら一気に怪しまれてたパターンじゃないか…?
確かに頼れるけども、怪しまれたら、自分の命が危うかった
なんせ、この子は事件ホイホイの死神くんなのだから
「お、お姉さん、だいじょうぶ?」
『ああ、大丈夫大丈夫…急に大声出してごめんね、』
既にコナンくんは私のことを怪しい表情で見つめており、変人だと思われてることが分かった。
好きなキャラからのその表情は普通に凹んだ。
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作者名:海扇 | 作成日時:2019年7月18日 17時