恋風乱舞 2nd【ars M.A】 (ページ19)

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54.ソワ・ソワ。ページ19

花火大会当日は、前日までの天気予報では雨予報だったのに誤報か？って位に晴れてて

さては花火師さんが超晴れ男なんだな！と思いながら、シャワーを浴びた。

濡れた髪のまま服を着替えてると、スマホに届くシュンスケからのグループLINE。

『晴れたから、予定通りで！』

言葉の代わりに、オッケーマークを出してるキャラのスタンプを送る。

次々に、今日一緒に行くメンバーからの返事やスタンプが並ぶ。

髪を整えて、最近気に入ってよく着てるTシャツに高校生の頃から履いてるジーンズ、ケツポケットにスマホを突っ込んで

「どっちにしよっかなー...」

黒いスニーカーと白いスニーカーで悩んで、Tシャツの色に合わせて白い方に足を入れて家を出た。

満員の電車に乗って花火大会会場の最寄駅に降りると、すごい人混み。

シュンスケ達、どこかな？ってキョロキョロしてると

「雅紀！」

後ろから声を掛けられて、振り返る。

「おー、シュンスケ！」
「おっす。もー、あっちぃなぁ！人多いし！」

シャツの胸元をパタパタしながらしかめっ面してるシュンスケと、何人かの男友達。

それから

「まー君！」
「あ、ナナ。お、浴衣だぁ！」
「フフッ、どうどう？」
「良いね、日本の夏！って感じする」

浴衣姿のナナと、同じように浴衣を着てる女友達数人。

総勢、10名程。
大所帯。
これは、俺がここから抜けてもバレないな！よしっ！
頑張ってウォーリーを探せ、するぞ！

会場になってる河川敷を目指して、ゾロゾロ歩く。

隣を歩いてるナナは、浴衣に合わせたのか髪を綺麗に編み込んでる。
さすが、美容学生。

「ナナ、その髪すげぇ可愛いね。どーやってんの？」
「え？簡単だよ、これ」
「そーなの？えー、教えて欲しい」
「じゃあ今度、個人授業してあげる！」
「まじで？ラッキー」

Aちゃんにも似合いそう、こーゆー髪型。
やってあげたら、喜ぶだろうな。

ムフッ、となった俺を見てナナが「思い出し笑い、えろーい」って笑う。

「えろくないし！爽やかマサキくんだし」
「第一印象は、そうだったけどね」
「え？今は違うの？」
「んー...まー君って、何か......ま、良いや。爽やか爽やか」
「えー？ちょっと適当じゃない！？」

ナナは、「すっごく爽やかだよ」ってまた笑いながら適当に言った。

周りには俺たちと同じように河川敷に向かう人達。

このどこかにAちゃんも居るんだな、って思ったら

何だか、胸がくすぐったい感じがしてソワソワした。