百四十四 ページ44
「……、A!」
『うわっ、吃驚したぁ…』
「何回も呼んでただろーが」
現在地自室。
あれから数日経ったが私はまだお祖父様とした約束のことを切り出せていない。
あの日お祖父様は本当にいいのかと言われたがそもそもこの原因はうちの家族問題がこんなに拗れたせい。
それなのに罪の無いお祖父様達が職を追われるのは違う。
だから決めた。
___真選組を離れると。
けれどそれをなかなか切り出せずにいれば十四郎ちゃんから声をかけてることに気づかない始末。
それにやっていた筈の書類は一枚も進んでいなかった。
あちゃーと頭を掻いておどけて見せれば頭を叩かれた。
「最近書類の不備が多い、どこ見てんだてめェは」
『副長が総悟くんになる未来?』
「ぶっ飛ばすぞ」
いつものように軽口を吐けば舌打ちを返される。
変わらぬやり取りに胸が痛む。
……お祖父様のとこに行ったらこれも出来なくなるのか、ちょっと寂しいな。
なんて思いが顔に出てしまってたのか、どうした?なんて。
『いや、いつになったら副長を殉職するのかなって』
「勝手に殺してんじゃねェよ‼つか簡単に殉職する玉なわけねェだろ」
『なら暫くは鬼の副長補佐かぁ…私が副長になる日はいつになるのやら…』
「お前どんだけ俺を引き摺り下ろしてェんだよ」
『副長なんて椅子に興味はない、ただ面白そうだから』
「面白ェ事の為に俺を使うな‼」
また頭を叩かれる、今度は強めに。
そのまま文机におでこをぶつけた、痛い、痛くて頭割れそう。
顔を上げておでこをさする。
そのまま十四郎ちゃんを睨めば舌打ちをし「今日こそちゃんとやれよ」と言ってそのまま部屋を出て行った。
『…あの背中にはもう頼れない、か』
静かになった部屋にそれは落ちるだけだった。
129人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:翡翠 | 作成日時:2018年10月13日 21時