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『…ああ!!もう!!』
塔のようになった書類を投げたくなる衝動に駆られた。
あれから数週間。
兄のことを調べるべくまずは12年前の火災から調べようということになったのだが、真選組結成より前のものがうちにあるわけもなく奉行所に声をかけた。だがだいぶ前のものということもあり書類を渡すまでに暫くかかるとの返答。
数週間経った今もまだその返事はない。
その上この間の鬼兵隊の件で活発化した攘夷党が増えた為大量粛清の予定が出された所為で屯所内はてんやわんやだ。
『とーしろーちゃーん』
「だから開ける前に声をかけろって言ってんだろ!」
『落ち着つけ。ほらこれ勘定方に渡す書類、それでこっちは先日粛清した緑屋の報告書』
「…やけに早ェな」
『ここ数日の拘束状態知ってるよね⁉粛清書類作業粛清書類作業の繰り返しでゲシュタルト崩壊する!団子食べたい‼』
「お前最後のそれが目的だろ⁉…ったく、そう言うと思ったからよ」
そう言って差し出されたのは可愛いカラフルな団子。ナニコレ。
十四郎ちゃんを見ればお前の好きな団子屋の婆さんからだと。
「なんでも新作の三色団子なんだと。お前ェに一番に食ってほしいってさっき見回りの時に渡された」
『え、まじか!まじか!嬉しい!ねぇ食べていい?』
「…食ったら仕事しろよ」
『するする!頑張るから!』
いただきますと手を合わせてそれを頬張ればいちごの味が広がった。次がレモン、最後がメロンとどうやらフルーツ味の団子だったらしい。
美味しくて頬を緩めていれば十四郎ちゃんと目が合う。
「ほんっと旨そうに食うのな」
『ほ、ほしいって言ってもあげないんだから!』
「いや要らねェよ⁉つかなんでツンデレみてーな言い方なんだよ!意味わかんねェよ!!」
『ツンデレって萌え〜!じゃないの?』
「今の俺はトッシーじゃねェェェェエ‼」
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作者名:翡翠 | 作成日時:2018年10月13日 21時