友達 ページ29
.加筆修正あり
ある日の総統室、書類仕事をする男とソファに寝転ぶ女が一人＿＿
gr「なあ、フーカ。」
『なんすか。』
gr「…お前そろそろ帰れや。」
『え〜…。』
gｒ「お前家あるだろ。帰れ。」
『家がなかったらいいんだね、おっけ。』
gr「待て待て待て待て！」
私、フーカが軍基地に入り浸って一週間。総統に勘当されそうです☆
『やだやだ！帰りたくない〜！！』
gr「帰れよ…。お前が入り浸ってる部屋、本来は客人用で予定ではイナリを入れる予定だったんだぞ！」
『イナリ…。あ〜、あのかわいい子。あとで会いに行こっかな。…とりあえず！あたしは出ていかないから！』
gr「なんでじゃ！」
『だって友達出来たんだもん！』
gr「はぁ？…ミズハか。だが、お前の性格なら友達多かっただろうに。」
『あのさ〜、上位貴族の令嬢に本当の友達なんてできると思う？出来たとしてもそれは取り巻きだよ取り巻き！あんなの私じゃなくて私の家と仲良くしたいだけの貴族社会に組み込まれたただのシステムじゃないか。何が友達だ。』
gr「…貴族のことは、わからんな。俺平民出身だし。」
『…あ、そっか。そういえばそっか。』
gr「せやぞ。誕生日ケーキの代わりにドーナツにロウソク刺して食ってたんだぞ」
『かわいそすぎん？』
総統の衝撃の過去。平民からここまで成り上がれたのは素直に称賛したい。私なら無理だ、一生労働者階級として死んでいくのだろう。
『ね〜、お願い！ここに住まわせてよ〜！』
gr「だってお前何にもしないじゃん。」
『え〜、じゃあ諜報員やるわ。どうせ少ないんでしょ？任せろって！たまになら戦場にも出てやるし。』
gr「…ホンマか？普通にありがたい。」
『だろ〜！私、護身術程度の戦闘力と高いだけの魔力(魔法は扱えない)が取り柄だから！』
gr「よしお前は諜報員専門でやっていこう。戦場には出るな頼むから。」
『アッハイ…。』
gr「そうと決まれば幹部就任式とかやらなな。ちなみに情報屋のほうは…」
『あっ…。我々国お抱えとかって…。』
gr「あ〜、できるできる。」
『ないすぅ！』
gr「じゃあ契約書とか作成すっからちょっと待っとけ。」
『うす。』
そう言ってグルッペンは小走りで走っていった。一人残された私が、何をするかというと＿＿。
ま、情報漁りですよね！
〈緊急事態！緊急事態！侵入者が発生しました！〉
『やべっ！』
数分後、トントンに取り押さえられた私を、グルッペンは呆れた顔で見た。
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