・二十二 ページ23
“ 俺が君を買ってもいい? ”
その言葉は私の頭に響き続けていて
少しボーッとすることが多くなってしまった
小梅 「姉さん?」
貴方 「っ、!、、、なんじゃ?」
小梅 「いえ、
今晩は左衛門様がお越しでいんすか?」
貴方 「そうじゃ、のう」
小梅 「っ、、、」
・
・
夜になれば待っていた左衛門様が起こしになって
夜のひと時を過ごす
はずだったのに
貴方 「え、」
女将 「まぁ!ほんとうにございますか?」
左衛門 「あぁ、そろそろと思いな」
左衛門 「そろそろAを私の妻に娶るのも良いだろう」
突然出された身請けの話
身請けそれは遊郭にお金を払い遊女の一生を買う
基本は買っていった者の妻になることが多く
今までも身請けでここを出ていった花魁を多く見てきた
女将 「嬉しいことでありんす
ねぇ、A」
貴方 「はい、とても」
身請けを遊女が断るなんて言語道断
買われるならば素直に喜び買われなければならない
苦しい気持ちは左衛門様と時間を過ごせば過ごすほど大きくなる
そして思い出すのはあなたで
もっと早く買ってよって理不尽に文句がポンポンと出てくる
零れた涙は左衛門様に気づかれないようそっと拭った
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作者名:いのみづちゃん | 作成日時:2017年8月29日 10時