【オリジナル】正反対の双子Ⅰ【合作】 (ページ42)

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#21【陽月葵】ページ42

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「う、うぅ～……」

『!御白!』

俺は医療道具を持って来て、御白の顔を覗いた時、御白が徐々に目を開け痛そうな声を上げた。

『大丈夫か?』

「うん…。なんとか、平気…」

『…大丈夫じゃないだろ…!今直ぐに治療するからな!』

何を持って行こうかと迷った末、俺は救急箱を持って来た。

後は湿布とか。

何故か部屋に置いてある。

『( まぁ両親が置いたんだろうけど )』

俺が良く怪我をしているのを知ったのだろう、過保護なアイツ等(両親)の事だから、俺の部屋に救急箱を置いて行ったのだ。

…そのお陰で、怪我をして痛く辛い思いをしている、守りたくて大切な兄(御白)を救える。

そこだけは感謝している。

「なんで…葵は僕を助けるの…？」

『はぁ?…守りたくて大切な兄だからだろ。いくらアイツ等(両親)に差別されても、俺は御白の仲間。差別なんてしない、差別なんか嫌いだから』

そう御白の質問に答えながら、素早く治療して行く。

結構アザが酷い。

『マジでアイツ等許さねぇ…御白の仇取ってやる』

低く小さく呟く。

その時、顔に感情を露わにしていたのだろう。

御白は驚いた様に少し目を見開いた。

「僕なんて…消えちゃえばいいのに…」

『…ダメ、そんなの俺が絶対に許さない』

治療後に御白が弱く小さく呟いたのを聞いた。

俺は御白をギュッと抱きしめる。

『消えたらダメ…兄貴が消えたら、俺はどうすれば良いんだよ…』

それを聞いた御白は俺を抱きしめ返した。

何も言わず無言だった。

けど、俺の手に温かい液体がかかって、涙を流しているんだな、と思った。

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