【オリジナル】正反対の双子Ⅰ【合作】 (ページ25)

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#12【陽月御白】ページ25

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「…ごめん…御白」

葵は振り向かないでそう言った。
僕が悪いのに、なんで葵が謝るんだろう。

「なんで、謝るの…？」

何も悪くない葵が謝る必要はないのに。謝らなきゃなのは僕なのに。

「だって、怖かっただろ…俺が…」

怖かったのは…葵じゃない来た人たちだ。

「ちょっとだけ、怖かったけど…」

いつもと違う葵は少し怖かった。

「守ってくれるって言うのが嬉しかった。」

昨日言ってくれたこと、ちゃんとやってくれたんだって。

「…本当か…？」

葵が泣きそうなのがわかった。

「でも…僕のせいで…」

沢山の人が傷付いた。葵も、あの人たちも。僕が傷付けた。

「御白の所為な訳ない!御白は何も悪くねぇんだよ!俺が悪りぃんだって!!」

葵は僕の肩を掴みながら言った。

“僕が悪いんだから優しくしないで”
“葵は悪くなんてない”

そんな言葉は声にならずに消え入った。

葵は教室に向かっていった。僕も向かった。

ガラガラ＿
扉を開け、先生に声をかける。

「遅れてしまい、ごめんなさい。」

「陽月、珍しいな。遅刻なんて。何があった？」

「少し、問題に巻き込まれました。」

僕は足を少し引きずりながら席に着いた。

「(こんな僕なら要らないよね…。)」

こんなに弱い兄なんて。