【オリジナル】後輩君と転校生【派生/合作】 (ページ18)

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Episode8「嫉妬」【月城蒼飛】ページ18

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次の日＿

「あおっ、と…っ…くん…っ!」

廊下にて、俺は突然名前を呼ばれ振り返った。

走って来たのか、“はぁ、はぁ”と息を吐いている綾萠先輩の姿があった。

『綾萠先輩…』

「あの、さ…高体連、頑張って…!」

『!!』

まさかの応援に、俺はびっくりした。

『ありがとう御座いますっ…!!頑張りますね!!』

俺は嬉しさのあまり、綾萠先輩に抱き着いた。

振り離されると思ったが、振り離されなかった。

『あっ、えっと…すみません』

「いや、だい、じょうぶ…!まっ、また!」

綾萠先輩は引き返して走って行った。

…何処からか感じる視線に、俺は辺りを見渡した。

『…?』

キラリらしき人物が、綾萠先輩を睨んでいる様に見えた。

昼休み＿

俺は“陸上部の高体連の話がある”と呼び出され、3年の教室がある廊下を歩いていた。

…そして話が終わり、教室へ戻ろうとした時、チラッと綾萠先輩の教室を見てしまった。

『っ!?』

俺が目にしたのは、綾萠先輩が男子と笑って話している光景だった。

異様に距離が近く、俺は色々爆発しそうになった。

『(嫌だっ、見たくない…っ!!)』

俺は廊下を走り出した。

頬を伝う涙を、袖で拭き取りながら。

『っはぁー…っはぁー…』

気付けば俺は、空き教室に着いていた。

此処なら誰も来ない。

1人で居るのに最適な空間。

『(俺、嫉妬してんのかな…?)』

良く分からない感情に、頭を抱えていた。

空き教室の扉を閉め、床に座って蹲る。

少しして鳴ったチャイムを無視して、俺は空き教室で5時間目を潰していた。

『…あや、め…せんぱ、い…』

そう呟いても、綾萠先輩には届かないだろう。

…俺は、綾萠先輩を諦めるしかないのだろうか。

あの男子も綾萠先輩も、笑った顔や異様な近さを見るに、両想いに見える。

『分からない、な…』

俺は刻々と過ぎて行く時計を見つめ、そんな事を考えていた。

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