【名前変換オリジナル】儚い恋を夏休みに (ページ10)

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そして、時は過ぎて行った__

「今日から夏休みだねー」

夏休みと言い渡された。

隣では、ワクワクしている叶恵が居る。

『…そうだな』

「あまり乗り気じゃない?」

叶恵は俺の顔を覗き込んで来る。

『いやだってお前…!』

「…まぁ、分かるよ。言いたい事をね」

ニヤニヤとする彼女。

そんな姿を見られるのも、今年が最後。

寂しいなぁ。

「…折角Aと過ごせるんだから、気分上げて行こうよ!」

『…あぁ、そうだな…!』

…叶恵と一緒に居ると、いつもとは違う感覚になる。

何というか…落ち着く、みたいな。

これが彼女に対する好意なら、必ずこの夏休みで、告白する。

彼女を幸せにするのが、俺の使命な気がするんだ。

「此処綺麗だね」

『あぁ、そうだな。ずっと前だったか?“此処の海を見たい”って、言ってたよな」

「うん。今でも覚えてる」

俺は叶恵が前に言っていた、行きたい場所に全て連れて行った。

彼女が悔いのない様な夏休みを過ごせる為に。

交通費は俺のバイト代から。

遠い所はタクシーで、近い所は車椅子を引いて。

『…なぁ、1つ良いか』

「なぁに?」

『俺…お前が好き。俺の目の前から消える前に言いたくてさ…』

「…ふふ、ありがとう。私もAが好きだよ」

叶恵は俺の言葉に顔を赤くした。

俺はドキッとして、叶恵に唇に口付けをする。

「!!」

『えっと…して良かった、よな?』

「当たり前じゃん!」

次は叶恵が、俺の唇に口付けをして来た。

『…はず』

「あはは、可愛い」

『うっせ。…その…改めて、付き合お…?』

「…当たり前だよ!」

叶恵の満面の笑みを見れて、俺も幸せになった。

そして夏休みが終わった。

悲しい事に、時は過ぎて行く__

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