【名前変換オリジナル】儚い恋を夏休みに (ページ9)

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「…状態が悪化して来たらしい。だから“夏休みに入ったら直ぐに出掛けよう”だと」

『…!』

“状態が悪化”…俺はそう聞いて、焦りや悲しみが溢れて来た。

夢で見た光景が、本当になってしまいそうで…とても怖い。

『…分かり、ました…』

担任はそれだけ言って、教卓に戻って行った。

『叶恵…』

とても怖い。

『…今何してるんだろう…』

悪化しているから動けない。

だから、寝ている?それとも、意識を失ってる?

怖くて怖くて、そういう事しか考えられない。

放課後__

『はぁ、はぁ…っ!』

俺はダッシュで叶恵の家に向かった。

心配で授業に集中出来なかった。

今日、一回でも良い。

彼女の顔を見たいんだ。

ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ__

「あら、A君?今行くわね」

そう言って、出てくれたのは、叶恵の母だった。

「叶恵は寝ているわ」

『…そう、なんですね』

「上がって良いわよ」

『じゃあ…お邪魔します』

俺は家に上がる。

そして、早速部屋に向かう。

ｺﾝｺﾝ__

「叶恵、A君がお見舞いに来てくれたわよ」

すると、中から反応が…

「A…ふわぁ〜…ありがとうね」

『叶恵、入っても良いか?』

「良いよ…」

少し眠そうな声が聞こえる。

俺は部屋に入る。

ｶﾞﾁｬｯ__

『…叶恵、大丈夫か?』

「うん、まぁ…でも悪化しちゃったけど…」

苦笑いする叶恵。

『…』

俺は彼女の頭を撫でる。

「え、どうしたの?」

『…夏休み入ったら、遊びに行こうな』

「うんっ!」

叶恵は元気いっぱい笑った。

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