【d!】犬系ヤンデレ彼氏に愛されています (ページ10)

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10話ページ10

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『なにっ、これ…』

私は気付いた。

あの時に感じた、キツい匂いとは…血の匂いだった。

zm「大丈夫、死んでないで。ただ…身を持って分からせただけや」

「A、ちゃn…zm「は？」ガッ…」

『ゾムっ！！』

私は走って、先輩を殴り続けるゾムの手を思いっ切り掴む。

『やめて！！そんなことしないで！！』

zm「…何でなん？コイツ、洗脳薬と睡眠薬を使って、Aを自分のモノにしようとしたんやで？」

『そんなの…今はどうでもいい…人を傷付けないでよ…』

ゾムの行動に、私はどんどん涙が流れて来た。

zm「Aっ…！？」

『やめて、って…お願い、私の言うこと聞いてよ…』

zm「……」

ゾムは先輩から離れ、離れたとこから先輩を睨んでいた。

『先輩、大丈夫ですか…？』

「Aさん…俺が悪かったから、許してほしい…」

『私は気にしてませんから…！！』

「そっか…ありがとう…」

先輩は弱々しく微笑んだ。

『先輩、立てますか？』

「今は無理そう…かも」

『ゾム！先輩を起こすの手伝って！』

zm「…チッ、しゃーないな」

ゾムは仕方なく、といった感じでこちらにきた。

私とゾムで先輩を起こす。

…よかった、意識はちゃんとある。

『…二人共、もう二度とこんな真似をしないで。次やったら…関係を切る』

zm「「！？」」

『分かった？』

zm「分かったわ…すまん」

「分かったよ…ごめんね」

…これで大丈夫だといいんだけどな。

この後、私を含めた三人は会社を早退し、病院へと向かった。

先輩は重傷だったらしかったけど、ゾムに慰謝料を請求することは無かった。

"「Aさんの彼氏さん、だもん」"

そう言って先輩は微笑んだ。

一方ゾムは、先輩に「悪かった」とあんま反省している感じは無かったけど、謝っていた。

『…ゾム』

zm「ん？」

『私はずっと、ゾムの彼女だから。誰にも取られないよ』

zm「…そっか」

ゾムは…安心したように微笑んだ。

zm「(…俺は、Aを一生離さへんから)」

…怪しく笑った。

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