【オリジナル】ある神様が、十個の力を取り戻すまで (ページ24)

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「さつ、き…っ」

俺は千都に見つからない様に着いて行った。

結果、出来るだけ気配を消して、病室の外に居る。

どうやら両親とは別室の様だった。

「あ、あぁ…何でだよ…」

千都の泣き声が聞こえて来て、俺は辛くなった。

その時

「荒川沙月、お前を連れて行く」

「誰だよ…あんた…」

見知らぬ声と千都の話し声が聞こえた。

「私は死神だ」

「しに、がみ…」

そして

「止めてくれ…沙月を、沙月を連れて行かないでくれ…」

悲痛な叫び声が、俺に響いた。

「荒川千都、その手を離せ。離さないと、その身体ごと引き裂くぞ」

死神と名の奴の、圧力も俺に響いた。

「“死神”って言ったよな…」

「あぁそうだ」

「俺と戦え。お前が勝ったら連れて行って良い。ただし…俺が勝ったらこの場を去れ」

「ほぉ…まぁ良いだろう。その無謀さは、才原家と似ているな」

『!!』

才原は俺の苗字だ。

俺の家庭と何か関係が…?

嫌な予感がした。

「それじゃあ早速…」

『浮遊【死神の鎌】』

俺は病室を開けて、振り下ろされた鎌を、宇宙まで飛ばした。

「くっふふ…才原 A、やぁっっと姿を現したか」

急に笑い出した死神に俺は、足がすくんだ。

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