【オリジナル】復讐に燃える殺し屋の少女Ⅱ (ページ17)

今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:10,684 hit

17話ページ17

・

それから私はダッシュで家に向かった、もう日が暮れて真っ暗になっているから。

いくら陵の家に行ってたとはいえ、お母さんを心配かけたくなかった。

『ただいま！』

少し息を切らし、鍵を開けて中に入る。

「おかえり、遅かったわね」とリビングから顔を覗かせ、怒る様子も無く「ご飯冷めちゃうわよ」と微笑んで言った。

私は鍵を閉め、靴を脱いで部屋へ一旦戻った。

鞄を置いて急いで私服に着替え、楽な格好にしてからリビングに向かう。

『お待たせ、遅くなっちゃってほんとごめん』

持ってきたお弁当箱を流し台に置き、水を浸らせる。

「大丈夫よ、私は雛が帰ってくると信じて待っていたから」

私がお父さんのように、帰らぬ人にならないか心配ではないのだろうか。

いや、心配だと思っていても言わないだけかもしれない。

椅子に座って「いただきます」と声を揃えて食べ始めた。

「ねぇ、雛。少し聞きたいことがあるのだけど、いいかしら？」

食べてる途中、お母さんは私の目を見つめて話しかけてきた。

珍しいなと思いながら「どうしたの？」と尋ねる。

「今日あったテロの話知ってるかしら？」

『あぁ、うん、知ってるよ。先生が話してた』

「実は私ね、あの現場に見にきていたの。丁度買い物帰りに通りかかってね」

…私は箸を止めた、まさか私のことを見かけたのか？

「それで…雛、貴女あの場に来たわよね？髪を結いても表情を消しても、私の娘だと…そう確信したわ」

お母さんはそれを知ってどうするつもりなのだろうか。

やはりお母さんの目は侮れない、娘である私を一瞬で見抜いたのだ。

そもそもあの場にいたこと自体驚きなのだが。

『…正直に言うと、行ったよ、あの場に』

「やっぱりね。貴女が裏に回って数十分したら、貴女と男性が最上階の窓から落ちてきたのを見たの。…貴女何をしたのか、すっごく気になってね…怒らないから言ってほしいの」

そう言ってお母さんは、心配そうな目で見つめてきた。

…覚悟を決め、私は口を開いた。

『私は…ビルに侵入して、持ち前の武器でテロリストを殺し、人質を解放した』

「なんで？理由も言ってほしいわ」

『…実はね、私…お父さんを殺した奴に復讐するべく、殺し屋になったの。それで、依頼が来て…あの場所に来た』

声が震えるのを感じ、私は恐る恐るお母さんの顔を見た。

お母さんの顔は、怒ることなく、悲しそうに微かに笑った。

・