【オリジナル】石化の魔眼を持つ少年Ⅰ (ページ17)

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17話ページ17

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『…！？』

僕の思考は一瞬止まり、やがて理解すると顔や身体が一気に熱くなった。

なぜこんな人が多いところで、こんな大胆な行動に出たのか、僕には意味が分からなかった。

「葵ちゃん何してんの…？」

「瀬戸、そんな奴を抱き締めて何して……」

周りからこれでもかという程言われまくる、朝の出来事をもう忘れてしまったのか。

普段静かにして無言な僕が、面倒な女子との言い合いをしていたことを。

いや、最早僕が言い負かした、それだけなのだが。

「…私、ずっと琴が好きだったんだけど。好きな人の悪口を言うのをやめてくんないかな。悪口を言われてるこっちの身になってくれない？」

『っ…！』

僕はその葵の言葉に、涙腺が刺激され熱くなった。

学校でなんて泣きたくないのに、葵の言葉が心に響いて、静かに雫を溢していた。

「す、好きだったの…？！ご、ごめんね…悪口言っちゃって…」

「そ、それは…すまん。今まですまんかった…」

流石生徒会役員、皆に信頼されているだけある。

次々と僕に謝り出した。その謝罪が心の底からの言葉なのかは謎だが。

「…だって、琴。琴の心に負った傷が謝罪如きじゃ治らない。この先皆が琴に対してどんな行動するかによって…琴も私も変わらない。……琴は今、皆を許せる？」

『…僕は言葉を信じないよ、心の底からの言葉に思えないから』

瞼を擦って涙を拭き取り、振り返る。

皆の顔を見渡すと申し訳なさそうな顔をしている者が殆どだった。

『…だけど、許そうかな。…面倒だし、引き続き関わらないでほしいけどさ』

「ありがとう」と言われるが、いいものには感じなかった。

どうせ葵の言葉で動いたくせに、僕が言っても絶対聞く気無かったくせに。

「ん…？…なんだこの状況は？白河…この状況にしたのはお前か？」

出た出た、ただの教師の僕への差別。

僕は呆れながら眼帯の少しのズレを直す、すると葵は口を開いた。

「先生、いい大人なのにまだ差別をするんですか？いい大人なのに恥ずかしいですよ。この学校の先生達って…人間の恥ですね。恥ずかしくないんですか？」

と、葵の言葉攻めが始まったのだ。

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