【オリジナル】石化の魔眼を持つ少年Ⅰ (ページ2)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:5,029 hit

2話ページ2

・

僕にとって授業は苦痛だ。

なぜなら、先生からの差別を受けるから。

「これから授業を始めるぞー」

先生が教室に入ってきて、教卓に教材を置く。

日直の号令のあと、苦痛の授業が始まった。

『…』

正直、ここまでくると学校に来て授業を受けている意味が分からなくなる。

だが、せめて義務教育は終わらせないといけない。

『(両親いないし、関係無いけどね)』

そんな事を考えながら授業を聞いていく。

「じゃあこの問題をー…白河」

わざと難問を当ててくる先生。

…あー、始まった始まった。

『…分からないです』

僕の頭脳的に絶対分からない。

成績を知っているはずなのに、わざと難問を当ててくる。

そして…

「はは、そうかそうか、分からないか。右目に学力でも奪われたか？」

なんて意味の分からない言葉で馬鹿にして差別してくる。

いつもと同じだ。

クラス中からは笑い声が上がるが、毎回葵は頭を抱えている。

「っ、あの！」

「何だ？瀬戸」

葵は怒りにきたのか、机を思いっ切り叩いて立ち上がった。

「毎回毎回！琴を馬鹿にして差別するのは、っ！！」

『葵』

僕は葵の言葉を聞いて、名前を呼んだ。

『別にいいから。僕の事は気にしないで』

いつもあまり喋らず、ほぼ無口な僕の言葉を聞いて、葵や他のクラスメイトは目を見開いた。

先生はというと、少しイラついたような顔をしていた。

『…先生、授業再開どうぞ』

「…あぁ」

僕は冷たく先生を見つめ、すぐノートに目を移した。

…はぁ、本当ダルいな。

・