【オリジナル】石化の魔眼を持つ少年Ⅰ (ページ12)

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12話ページ12

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『……っは…』

僕はバッとベッドから起き上がった。

…先程の光景は僕の過去の＿＿

『…久々に、夢を見た』

久しぶりに見た夢がまさかのあの出来事だったとは…僕は息を整えた。

カーテンから差し込む光、気付けば朝になっていた。

別にあの夢が嫌いな訳じゃない、寧ろ楽しくて面白かった光景だった。

『…あの頃が一番、僕にとってよかったことだったな』

ベッドから降りて、クローゼットから制服を取り出して着替え始める。

僕の感覚は普通の人からかけ離れているかもしれない、別にそう思われたっていい。

誰がどう思うかは人それぞれだ、そしてそれを否定してきたのは僕の周りの奴らだった。

『…よし』

着替え終わって鏡の前で制服を整える。

ちゃんとワイシャツのボタンを上まで締め、きっちりとネクタイを巻く。

元々寝癖なんて無かった為髪はいじらないままでいる。

『…朝ご飯、少しでも食べよ』

学生鞄に教科書やノートなど必要なものを入れ、リビングへ向かう。

…今日はいつもより、学校が楽しみであった。

葵の一件で僕は一人石化させて殺した、それに気付いた学校側の反応が楽しみなのだ。

『…いただきます』

袋に入ったパンを口に詰め込む。

味はシンプル、味付けなんて僕はしない、少しでも無味の方が好みだ。

パンは水分を奪う、牛乳を注ぎ込んで水分補給をし、何個かのパンを食べ終えた。

『ご馳走様でした』

徐々に登校時間が迫ってくる、時計を確認したあと洗面台に向かい、歯を丁寧に磨く。

鏡の前に立つ僕は何とも言えない顔をしていて、毎日がつまらなそうな顔にも見える。

『いってきます』

学生鞄を手に、僕は家を出発して鍵を閉めた。

この時間帯はまだ登校時間としては早い方だが、何人かは通学路を歩いている。

「ねぇ、あの人がヤバい奴らしいよ、、」

「知ってる、石化させちゃうんでしょ〜、、」

＿なんて会話が耳に入ってくるが、全て聞いてないフリ。

別に意味なんて無いが、無理に関わるのが面倒くさい。

人間関係なんて何よりも不必要に感じる。

『……』

少しして学校に着いた、校門には葵が立っている。

今日は挨拶する仕事があったからか。

「おはよ、琴」

昨日とは打って変わって優しい笑顔。

『…おはよ』

小声だが、僕は返事を返した。

少し驚く葵を通りすぎて玄関へと入る。

さぁ、どうなっているのか……ワクワクしながら教室へと向かった。

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