【オリジナル】石化の魔眼を持つ少年Ⅰ (ページ11)

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11話ページ11

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「琴、その眼帯は何があっても外しちゃダメよ。分かった？」

『うん、分かったよ！お母さん』

あの頃は、まだ僕の家族にヒビなんて無かった。

お母さんとお父さんも仲よし、そして僕も入れて三人家族で仲よし＿誰から見ても幸せな家族だった。

僕に優しくしてくれる、僕を好きでいてくれる、そんな両親だった……はずだったんだ。

「おい琴、その眼帯外してみろよ」

「なんでいっつも眼帯してんの？」

「まさかカッコつけてる？」

僕が小学5年生の頃、いや、もっと前から…小学3年生の頃に目をつけられて、ずっと目をつけられ続けた。

幼い時は眼帯なんて誰も疑問を持たなかった、持ったとしても「事情があって…」と言ったら「そうなんだ！」と深く聞かずに終わっていた。

＿＿だが、学年が上がっていくうちに、それだけの解答では満足いかない者が現れ始めた。

『ねぇ、本当にダメだって…』

「外してみろって！」

それは5年生の時、教室内で起きてしまった。

『っちょ…！』

「うわぁああ！？」

こいつが、コイツが、僕の眼帯を外したんだ。

外して右目で見たら、コイツは驚いた顔のまま石化したんだ。

「キャーーー！！！」

「どうなってんだ？！」

教室内は騒ぎに騒ぎ、先生沙汰になり、警察沙汰にまでなった。

僕は後ろから眼帯を付けられ、体を床に押さえつけられた。

小学生ということもあり、強くは押さえつけられなかった。

子供が抵抗出来ない力加減はされていた。

『……』

僕はずっと床に押さえ付けられていたが、周りからの冷たい視線を感じていた。

冷たく、凍てついていて、嘲笑い＿＿この状況が僕の心を壊すモノだった。

そのあとの記憶はよく残っていない、でも気付けば家にいて、両親に暴言を吐かれて、お父さんには殴られて、お母さんには冷たい視線を向かれたり泣かれたり、散々な光景でいっぱいだった。

『……ぼく、は……』

「もう、アンタなんか…私達の子供じゃない！ただのバケモノよ！」

「もう俺達に関わるな！！」

学校や警察に聞いていたんじゃないの……？

なんで僕をそんな…孤独にするの？

「や、やだっ、ごめんなさいっ！あんな、ことを言って…！」

「だ、だから、やめるんだ！こ、琴！」

『僕の名前を呼ぶな、親ヅラするな、クズが』

悲鳴と共に固まりゆく二人の姿。

その様子に僕は＿＿

『あはは…！！』

狂気かの如く、気持ちが高揚し、笑っていた。

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