【文スト】私が成りたかったのは彼女でなく彼【成り代わり】

噺、１ ページ1

泉鏡花＿＿＿＿それは、とても素晴らしい作家だ。



尾崎紅葉の門下生であり、更に紅葉門下四天王とまで云われた一人である


かの中島敦には

【私がここで大威張りで言いたいのは

日本人に生れながら、

あるいは日本語を解しながら、

鏡花の作品を読まないのは、

折角の日本人たる特権を抛棄しているようなものだ。】

と云われる程。


泉鏡花はどの作品も素晴らしい。非の打ち所が無い



私は彼の様な作家になりたいと望み生きている。

彼が好きだから私も豆腐が好きになった
彼が兎類を大切にし身に付けているとあったから私もそうした
彼が狂犬病を恐れ犬を嫌ったから私も犬を嫌った
彼が潔癖症とだったから私も潔癖症にはなれなかったものの綺麗好きになった。

そうして彼の小説を模写しては読み返し、模写しては読み返しの繰り返し

言葉の云い回しも、心境の表現も全て手で覚えれるように。


何れかは泉鏡花文学賞を受賞したい

せめて、彼の近くであれるように。





若しものはなし


若しも私が彼になれたら、どれだけ嬉しい事か



作家泉鏡花として、師匠である尾崎紅葉の書生として、生きて行けれたら。


何も思い残すことなく、死んでいけるだろう。



だがそんなことを夢見たって、叶う筈が無い

彼はもう居ないのだ。



だから、私が書く小説のペンネームの苗字は彼と同じ【泉】にしたい

【泉A】として、この大日本帝国の有名な文豪作家になりたいと願う。









私が敬愛する泉鏡花先生と同じ様に＿＿＿＿。

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