愛した人は、姉を殺した人だった。 (ページ29)

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大吾side

次の日。いつも通りのレッスン中。どうしても怖くなって、康ちゃんに相談することにした。

「康ちゃんあのさ、ちょっとええ？」

「大ちゃん、どうしたん？」

康ちゃんを別室に呼び出し、手紙を見せる。

「え、何これ、、？」

青ざめていく康ちゃんの顔。

「ストーカーおるぽっいねん。それでAこともそれからあの日のことも知ってるんやと思う。」

「それやばない？だってまだあの日のことはAちゃんも知らんのやろ？」

「言ってない。」

このままじゃあかんこと康ちゃんに言われんくてもわかってた。ただ言う勇気なんて俺にはない。

「いくら怖くてもこのままでなんておられへんことぐらい大吾やってわかってるやろ？このままやったらいつかAちゃんに他人の口から言われてしまうかもしれへんのやで？」

真剣な表情でたまにしか出ない大吾呼びをする康ちゃん。
正直状態が良くないってわかってた。

「わかってる。でも、、、」

「それにもしそれだけやなくてAちゃんをストーカーが狙ったら？」

それだけ言うと康ちゃんはレッスンに戻ろうとした。

「ちゃんと考えや。大吾のためにもAちゃんのためにも。」

康ちゃんに話してよかった。

ちゃんと考えなあかんと思った。