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第6話 ページ7

「…というかお前は何であんな所にいたんだ?」

「というかアイツ等は一体何なんだ?」

「というかあんた等 "というか" 好きだね」

今までで何回出て来た"というか"

「宇宙海賊"春雨"

銀河系で最大の規模を誇る犯罪シンジゲートだ!」

「シンジゲートって何?」

「あとで自分で調べろ」

「奴等の主だった収入源は非合法薬 物の売買による利益

その触手が末端とはいえ地球にも及んでいるというわけだ」

まぁ快楽って言われたら麻薬だろうがやるよね人間

…え?私だけ?

「天人に(おか)された幕府の警察機構などあてにできん」

「おい幕府の人間の前でいい度胸だなコノヤロー」

「…だから、我々で何とかしようと思っていたのだが

貴様がそれ程追い詰められる位だ…よほど強敵らしい

時期尚早かもしれんな」

桂が言い終わる前に立ち上がった旦那は、壁にかけておいた着物に手をかけた

「オイ、聞いてるのか?」

その着物を肩にかけた

「仲間が拉致られた

ほっとく訳にはいかねぇ」

仲間…新司君と神楽ちゃんかな

「その身体で勝てる相手と?」

「…"人の一生は重き荷を負うて遠き道を行くが如し"

昔なァ、徳川田信秀というおっさんが言った言葉でな…」

「誰だそのミックス大名!

家康公だ家康公!」

「家康公って誰?」

「貴様本当に江戸の人間か?」

ごめんね社会に無関心なもんで

「最初に聞いた時は『何を辛気くせー事を』なんて思ったが

なかなかどうして年寄りの言う事はバカに出来ねーな…」

「家康公おじいちゃんなんだ」

「貴様本当にこの時代を生きる人間か?」

ごめんね社会に無関心なもんで

「荷物ってんじゃねーが、誰でも両手に大事に何か抱えてるもんだ

だが担いでる時にゃ気づきゃしねー

その重さに気付くのは、全部手元から滑り落ちた時だ

もうこんなん持たねェと何度思ったか知れねェ

なのに…

またいつの間にか背負い込んでんだ

いっそ捨てちまえば楽になれるんだろうが、どーもそーゆ気になれねー


荷物(あいつら)がいねぇと、歩いててもあんま面白く無くなっちまったからよォ」


「…仕方あるまい」

桂が立ち上がり、旦那の近くに行く

「お前には池田屋での借りがあるからな

ゆくぞ」

「あ?」

私も近寄った

「片腕では荷物など持てまいよ


今から俺がお前の左腕だ」


「じゃぁ私肋骨で

私、こう見えてもそれなりに強いんでねぇ


全力で旦那(いのち)守ってやりますよ」

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作者名:無野 眠莉 | 作成日時:2018年1月3日 12時

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