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第12話 ページ13

その日の夜

「ホシは"廻天党"と呼ばれる攘夷派浪士集団

桂達とは別の集団ですが、負けず劣らず過激な連中です」

局長を囲んで会議をする中、山崎さんが言った

この時間帯になるとどんどん眠くなってくるが、今日は珍しく目も脳も冴えていた

局長の怪我は軽く、すぐに目を覚ますだろうと皆に伝えた

「そーか

今回の事は俺の責任だ
指揮系統から配置まで、全ての面で甘かった

もっかい仕切り直しだ」

「副長」

立ち上がろうとした副長を皆が止めた

「あのガマが言った事聞いたかよ!

あんな事言われて、まだ奴を護るってのか!?

野郎は人間(オレたち)の事をゴミみてーにしか思っちゃいねー

自分を庇った近藤さんにも何も感じちゃいねーんだ」

それは最もな事だった

なんせ普段あまり刀抜かない私ですら抜こうとしたんだから

「副長、勝手ですが、この屋敷色々と調べてみました

そしたら倉庫からどっさり麻薬(こいつ)が…

もう間違いなく奴ァクロです」

「…副長」

山崎さんの言葉を聞いて、私は静かに口を開いた

「あのクソガエルを護ったところで私等に何が残るってんですか

麻薬持ってる奴を警護したって、麻薬吸ってる人間増えるだけですよ

確かに局長はあのカエル護ろうっつったけど

麻薬やってるわ人情も無いわ


私はそんな奴に命賭ける気になりません」


特に、そんな奴のせいで尊敬してる人が怪我負ったら、尚更


「そうですよ

こんな奴を護れなんざ、俺達のいる幕府は一体どうなって…」

「フン、何を今更」

「「「!」」」

「……」

副長が言った

「今の幕府は人間(オレたち)のためになんて機能してねェ

んなこたァとっくに分かってた事じゃねーか

てめェ等の剣は何のためにある?

幕府護るためか?将軍護るためか?

俺は違う

覚えてるか

あの頃学もねェ居場所もねェ、剣しか能の無いゴロツキの俺達を、きったねー芋道場に迎え入れてくれたのは誰か

廃刀令で剣を失い道場さえも失いながら、それでも俺達見捨てなかったのは誰か

無くした剣をもう一度取り返してくれたのは誰か


…大怪我してびしょ濡れの自分を笑顔で拾ってくれたのは誰か」


「!!」


「…幕府でも将軍でもねェ


俺の大将はあの頃から近藤(こいつ)だけよ


大将が護るって言ったんなら仕方ねェ

俺ぁそいつがどんな奴だろーと護るだけよ

気にくわねーってんなら帰れ

俺ぁ止めねーよ」

副長はそう言って部屋から出て行った

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作者名:無野 眠莉 | 作成日時:2018年1月3日 12時

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