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第248話 ページ6

その時は、雪がちらついていた

『……ねぇ』

私が話しかけると、その子は静かに上を向いた

肌は白く、痩せ細っていて、髪もボサボサ

裸足で、ヨレヨレの服、なぜか握っている刀

目の下には隈があり、その目には光がなく

髪には桜の花の髪留めがある

たった今会ったばかりだったが、

儚くて、雑に扱ったらすぐ壊れてしまいそうな

弱々しい雰囲気が漂っていた

『何してんの?』

『………』

『………名前は?』

『………………ゆ……か……』

『ん?』

『…ゆきおか……雪岡、A……』

『歳は?』

『……12』

『12………………』

思ったよりも幼かった

『お……お父さんとお母さんは?』

『……ぁ………………』

そう言うと急に目に涙を溜め始めた

『えっあ、ごめ、』

謝ろうとすると頭を横に振った

『ちが………えっ…と』

目を逸らし、少し間を開けて

刀を握りしめて言った

『と、父さんと、母さん…と、兄さんが、いなくなって

それ、で…田舎から、探しに、来てて

でも、宿とか、服とか……食べ物とか…なくて

江戸も、よく、分からなくて…』

『……1人で?』

そう聞くと小さく頷き

俯いて、また泣きそうになっていた

『………分かった』

少し迷ったが、私はしゃがんで彼女と目を合わせた

『とりあえず、うちにおいで』

『………………………ぇ』

『そんなに広くないけど……ここにいるよりマシだと思う

これからどんどん冷え込んでくるし』

私はしゃがんだ状態で彼女に背を向けた

『ホラ、乗りな……えーと

Aちゃん』

『………………………………』

彼女は近づいてきて

その軽い体を私に預けてきた

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にゃんこ - 自分は昨年受験生でした!勉強はやっぱり大切だなって思いましたwまぁ受かりましたが…小説楽しく読ませて貰ってます!これからも応援してます!頑張って下さいね! (2019年3月14日 6時) (レス) id: c7e146b978 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無野 眠莉 | 作成日時:2018年12月1日 6時

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