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第272話 ページ35

それから、一年と半年が経った

Aはちらちらと雪が舞う中を裸足で歩いていた

つい最近、記憶除去手術を受けそうになった(・・・・・・・・)ばかりだ

勿論、彼女には今までの記憶が全てある



手術を受ける直前に、自力で抜け出してきた



これからまた武州に戻ろうとしていた

もしかしたら兄が帰ってきてるかもしれない、と

だが初めてきた江戸の街のため土地勘はない

城を出てきたままの格好で、所持品は途中で奪った"朱音"だけだったため

周りからは孤児の様にも見え

助けてくれる人はいなかった





夕方になり、雪とある程度の寒さを防げる橋の下に向かった

だが、もう飲まず食わずの時間が長く死にかけで

着くなり倒れ込んでしまった


(………私もう死ぬのかな)


(………まぁあんな所で死ぬよりはマシだよな)


死に際の様に走馬灯が駆け巡る


(ごめん父さん母さん、守れなくて)


(二人のおかげで、晋助達に会えたよ)


(最後にちょっとでも、兄さんに会いたかったな)


(早く彼女見つけろよ、元気でね)


彼女は静かに目を閉じた









『何してんの、君』








ふと、上から凛とした声が降ってきた







『………』



目を開けると買い物帰りであろう女性がいる



『風邪ひくよ、そんな身なりで外出てちゃ

早く家に帰んな』



(………家………………)




『………ん?え?何で泣いてんの』




寝転がったままで涙を零す




しばらくして女性は仕方なさそうに言った





『………とりあえず、家くる?これから』





これが彼女と幾松の出会いだった

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にゃんこ - 自分は昨年受験生でした!勉強はやっぱり大切だなって思いましたwまぁ受かりましたが…小説楽しく読ませて貰ってます!これからも応援してます!頑張って下さいね! (2019年3月14日 6時) (レス) id: c7e146b978 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無野 眠莉 | 作成日時:2018年12月1日 6時

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