死んだ目をした専属医師 7【銀魂】 (ページ24)

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第262話ページ24

「トシ！！総悟！！

Aちゃんを拘束しろ！！」

「はっ！？」

「いいから早く！！」

近藤が叫ぶと多少は躊躇っていた2人だったが

近くにあった柱に手錠を使って拘束した

それでも狂った様に暴れている

きっと拘束を破ってまた戦闘に行くためだろう

「Aちゃん

よく聞いてほしい」

近藤の言葉も聞こえてない様子だ

一瞬チラッと見えた彼女の瞳は

獣の様に真紅だった

「……っ」

威嚇の様にも、怯えてる様にも見え

普通ならこっちが怯んでしまうだろう

「……お前の身にあった事、全て話す

ただし俺が知ってる限りだ

そこは了承してくれ」

「待て」

するとヅラが動いた

「貴様の知らない空白の時間を俺は知っている

そこは俺が説明しよう」

「………そうだな」

近藤は静かに息をついた

18年前、武州にてAは生まれた

元剣道道場主の雪岡友和(ともかず)と

専業主婦の雪岡朱音(あかね)の長女として

7歳年上の雪岡湊(みなと)の妹として

赤ん坊の時から滅多に泣かなかった

代わりよく寝て、今と同じ死んだ目だった

家族にと同じ綺麗な青い瞳と真っ白な肌で

成長すれば綺麗な少女になるだろうと

誰しもが感じていた

3歳になると、誰よりも活発だった湊に連れられて

よく家の裏山に遊びに行っていた

『にいさん………これわたしもいかなきゃだめだったの』

『あたりめーだろ

文句があんなら弁当忘れた父さんにどうぞ』

『……にいさんひとりじゃだめなの』

『いやこうでもしねぇとお前外出ないから

いざとなったら負んぶあるから安心しろ』

『あんしんってなにをするの

………あれ、なんだろ』

『あ』

友和に忘れ物を届けた帰り道に

何かを茂みに見つけたAは

湊と手を繋いでいたのを解いて近づいていった

『ぼうだ』

持ち上げてまじまじと眺めた

『にいさんのとにてる』

『あれ、刀じゃねーか』

『あぁ

だからにいさんのとにてたんだ』

湊は当時道場に通っていたり

友和から刀を譲り受けたりしていた

『誰かの落とし物かねェ』

『………かあさんにみせたい』

『…自分で持てるか？』

『むり』

『だよなぁ…』

家に帰って朱音に見せると

柄の色を見て呟いた

『あら、これは茜色ね』

『あかね？』

『夕焼けの空みたいな色だな』

『へー…

「朱音色」かぁ

じゃあ「朱音」ってよぼ』

Aは刀を大事そうにしまった

『……湊、あの子何か勘違いしてない』

『…まぁいいんじゃね？』