第245話 ページ3
「本当はなァ、俺から行こうと思ってたんだ」
煙管を吹かしながら隣で言う
「それがまさかあんな街中で……
しかもてめーから入れろなんざ
どういう風の吹きまわしだ
Aさんよォ」
「………さぁね」
切れた鼻緒を直しながら気の抜けた返事をした
ここは鬼兵隊の船内だ
ある一室に私と高杉だけがいる
「あん時ゃ涙零してやがったからビックリしたが
何があったんだお前?」
「別に何でも良くね」
「冷てェなァ」
だってアンタには関係ないでしょ
と言おうと思ったけど流石に冷たすぎるのでやめておいた
「まぁそうだよなァ
やっとこさ思い出したのかと思ったが」
「思い出す………?」
「やっぱりかよ…
何か俺っぽい事、お前ェやってねぇか?」
高杉っぽい事…
………………………いやいやいや
「心当たりないね」
「…そうかよ」
一応あるにはあるんだけど
『攘夷志士…______』
「流石にあれはねぇ…」
「何だ」
「いや別に」
「………じゃあお前ェにヒントをやらァ」
高杉は煙管を吹かすのをやめ
窓の外に向けていた目に私を映した
「個人的に思い出してほしいし
思い出すべき事だからなァ」
「……何だそれ」
「俺達はな
昔共闘した事がある」
「………は」
「そういう事だ
あとは自力で思い出すんだな
てめーの部屋に案内するから付いて来い」
高杉はそれだけ言うと
1人で勝手に出てってしまった
「………」
あの言葉、本当なのだろうか
その疑問は一度保留として
私は高杉の後を追った
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にゃんこ - 自分は昨年受験生でした!勉強はやっぱり大切だなって思いましたwまぁ受かりましたが…小説楽しく読ませて貰ってます!これからも応援してます!頑張って下さいね! (2019年3月14日 6時) (レス) id: c7e146b978 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無野 眠莉 | 作成日時:2018年12月1日 6時