全部盗んで、怪盗さん【2j3j】

#店員と客だから ページ25

・





『教えてくれたって言いじゃないですか』

四「これは機密情報なんで…」

『めんどくさ〜い……』





凪さんはどこか楽しそうにくつくつと笑う。私が何かに気づいてないこと知って笑ってるやつだなこれ。あ、そうだ。聞こうと思ってたことあった。





『…凪さん、渡会さんとLINE交換したいんだけど、アリ？』

四「…急ですね」

『実は、友達にさ……』



・
・




椎「はあ？！1年好きなのにLINEも交換してないん？！！」

『唯華声が大きい！！やめて！！』

椎「おかしいやん！話聞く限りお互い仲良いんやろ？！なんでLINE交換しよって言わんのや！」

『…恥ずかしいじゃん、無理だよ』




帰り道にある、ファミレスで唯華とぎゃいぎゃいと騒ぐ。今日も今日とて恋バナ。唯華が恋バナ好きで助かった、沢山吐き出させてくれるから。

本格的な夏が始まり、もうすぐ夏休み。遊びに誘ってみたらって今連絡しろって唯華に言われた。LINE交換してないよって言ったら怒られてる。




椎「変なとこで恥ずかしがるよなあ」

『まずさ、店員と客だよ。マナー違反』

椎「わかんないやん、あっちは友達として見てるかもしれないし」

『うぅん…………………………』




・
・




『…渡会さんは、私のこと友達だとおもってくれてるのかな』




そうぽつりと呟くと、凪さんはふんわりと微笑んで頭に手を乗せてきた。ちらりと顔を覗くと、おでこが汗ばんでいて、色っぽい。イケメンすぎる。




四「こればっかりは私にも分かりませんよ。でもね、タライは聞いたら何でも素直に答えてくれるヤツです。嫌なら嫌、いいならいいと言うはず。だから勇気持って聞いてみるのが1番だよ」





凪さんはそう言うとまたカフェの中に戻って行った。1人外に取り残された。





『勇気出してみる、か』




・

#笑顔→←#類は友を呼ぶってか

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す