姉愛［28］｡一番大切｡ ページ28
しょーとside
僕の個性が出てから皆の様子が変わった。
特にねーねとお母さんが辛そう。
ねーねは希望を失ったみたいに。
お母さんはちょっと怯えるように。
｢お母さん。ねーねは？｣
朝からねーねを見てない。
今日はお休みなのにお部屋にも居なかった。
｢爆豪さんの家に居るって。メールが来たわ｣
ばくごー？ さん？
ねーねのお友達…？
｢ばくごーさんってだぁれ？｣
｢爆豪さんね。Aちゃんのお友達の勝己君のお家よ。焦凍と同い年の男の子｣
えっ男の子？
女の子じゃないの！？
ブワっと汗が吹き出た。
｢それってねーねの彼氏さん？
ねーねその子のこと好きなのっ？｣
お母さんに抱き着いて慌てて聞く。
｢ふふっ違うわよ。Aちゃんの彼氏じゃなくていいお友達だから。心配しなくても大丈夫｣
何でか笑われちゃった。
むぅ〜笑わなくてもいいのに！
ハムスターみたいにほっぺを膨らませる。
｢焦凍は本当にAちゃんが大好きね｣
｢だって僕のねーねだもん！ 綺麗だもん！｣
｢……そうね｣
よく分かんないヘナっとした顔で、僕の頭を撫でてくれるお母さん。
僕がねーねを元気にしてあげなくちゃ。
いつもの暖かいお目目に戻してあげるんだ。
僕が。ねーねを笑わせてあげるんだ。
だって。僕だけの大切な、
世界で一番のねーねなんだから。
｢あら、もう3時ね。
お勉強しましょうか焦凍｣
｢えー。またお勉強するの？｣
｢ごめんね。でもお勉強頑張らないとAちゃんと同じ小学校行けないのよ？｣
｢僕頑張るっ！｣
｢ふふふ｣
ねーねに頑張って追いつかなきゃ！
ねーねの隣にずっと居たいもん！
だから頑張る！ ねーねの為に！
待っててねーね！
僕が幸せにするよ！
他の男の子なんかに負けない！
かつき君にだって勝つんだ!!
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作者名：よる。 | 作成日時：2016年9月21日 16時
