姉愛［20］｡姉弟一緒｡ ページ20
しょーとside
｢起き起きっ！｣
朝の6時。
今日の僕はいつもより早起きなの。
隣で寝んねするお母さんを起こさないようにそーっとお布団から抜け出して。ちょっと遠い所にある、ねーねのお部屋まで走る。
トントン。
襖を叩いてお返事を待った。
｢焦凍？｣
｢うんっ僕だよねーね！｣
襖をゆっくり開けてお顔を見せるねーね。
不思議そうなお顔で僕を見てる。
｢どうしたの焦凍｣
｢ねーねと一緒に幼稚園行こうと思ったの！｣
ねーねはお家を出るのがとっても早い。
だから僕も早起きして、一緒に行きたいと思ったの。
幼稚園にはいつもお手伝いさんに送って貰ってたけど。
やっぱりねーねと一緒がいいの。
｢そう。なら急いで準備しておいで｣
柔らかいお顔で言ったねーね。
｢分かった！ 僕すぐ準備してくる！｣
｢うん。待ってるよ｣
長い廊下を走って僕のお部屋まで戻る。
やっぱりねーねは優しいな。
僕が急に言っちゃったのに優しく受け入れてくれるんだもん。
｢あら、焦凍おはよう｣
｢お母さんおはよう！ 起きてたの？｣
｢今起きたところよ。焦凍が珍しく布団にいないから驚いたわ｣
少し疲れたように笑うお母さん。
｢僕ねーねと一緒に幼稚園行くの！
だから早く起き起きしたんだー！｣
｢Aちゃんと…？ そう。良かったわね｣
｢うん！｣
ねーねのお話をする時のお母さんは、
どんな時よりもどんな話をする時よりも。
綺麗なお顔で笑う。
ホントにお母さんはねーねが大好きなんだ。
｢あっ早く行かなくちゃ！ 行ってきます！｣
｢焦凍、朝ご飯は？｣
｢いらなーい！｣
お母さんの｢気を付けてね｣って声を
聞いて、ねーねの待つ玄関まで急ぐ。
いつもより楽しみなの！
ねーねと一緒だーっ！
｢ねーね！準備でき｣
｢失せろストーカー｣
バキっ！
｢いったあぁ！ Aちゃん手加減！｣
……え？ だ、誰あの人。
｢手加減すると思うのかい？ 勝手に家まで押しかけて来て一緒に学校行こうだ？ ふざけるのも大概にしなよチビ。私は弟と一緒に行くって約束してるんだ。君がいたら邪魔で仕方ない｣
｢朝から毒舌!! って、えっ弟？
Aちゃん弟なんていたの？｣
｢そんな事より早く帰れ。私は弟と｣
ハっとこっちを振り向くねーね。
と、もう1人の男の子。
水色の髪と深青の大きなお目目。
僕をジっと見てくる。
｢………………誰？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1434人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よる。 | 作成日時：2016年9月21日 16時
