姉愛［277］｡闇を喰う｡ ページ27
二弦(騰亜)side
オールマイトが倒れた。
するといい獲物を見つけた、とでも言うように轟Aの身体から溢れた漆黒の刃物が彼の腹部目掛けて走っていく。
しまった──。
背後で未だに這う轟焦凍を一旦放置し走る。
間に合いそうにない。俺の機動力じゃ。
｢クソッ！｣
諦めが半分以上を占めた。
それを取っ払うかのように、見慣れた小柄な背がオールマイトを救うべく飛んで来た。
｢グラントリノ…！｣
オールマイトの細い手を掴み辛うじて安全かも知れない瓦礫の山へ着地した。俺も慌ててその場へ飛ぶ。
その際、仕方なく轟焦凍を担ぎ上げた。
｢っと。大丈夫じゃねェ、よな。俊典｣
｢…すみませ…ん｣
｢謝るな。後は俺たちが何とかする｣
グラントリノの言葉に安心したらしく、オールマイトの目が閉じられた。
それに反してボウっと見開き続けている轟焦凍。俺に担がれている事にすら気付いていない。…まぁ、最愛の姉のあんな姿見て冷静でいられる方がおかしいか。
なんて思って轟焦凍を下ろした。
｢嬢ちゃんのアレは一体何なんだ｣
それは俺に解いているようだったので。
｢…オールフォーワンが遊びで轟Aに植え付けたクソ個性。見ての通り制御不能で感情に任せて暴走する凶悪な代物だ｣
｢遊びで？｣
｢あぁ｣
先ほど根源であるオールフォーワン自身が悠々と語っていた内容を俺なりに伝える。と、グラントリノはわかり易く顔を歪めた。
轟Aを娘のように慕っていた彼にとって、これは相当にキツイ事実なのだろう。
｢“
全てを喰い尽くす闇の頂点。
それがあんなに可憐な女性の中に。
｢全部隊！ 攻撃態勢に入れ!!｣
｢！ ……何だ？｣
俺の呟きをかき消した声は随分焦っていた。
バっと顔を向けるとそこには分厚い武装を重ねた大勢の男が集まっていた。自衛隊と警察が混ざりあったような違和感だった。
その後にポツポツとある戦車は明らかに。
上空を旋回する兵器を乗せたヘリは。
｢……！！｣
闇の中心にいる轟Aを捉えている。
｢ッやめろおい!! 何してる！？｣
瓦礫の山から飛び降り、先頭で偉そうに指示を出していた中年のオヤジに掴みかかる。
｢な、何だね君は！？ 邪魔をするな！｣
｢テメェらが邪魔だ!! あの子は必ず助かる!! 助けにくる人がちゃんといるんだよ!!｣
｢悠長なことを言うな!!!｣
うるさい。うるさいうるさい。
あの人が、絶対に──
｢そこの車止まりなさい！｣
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みるくてぃ(プロフ) - 電車で完結まで見たのですが、涙が止まりませんでした。本当に大好きな作品です！また読み返そうと思います！ (2021年6月29日 12時) (
レス) id: 850a94406b (このIDを非表示/違反報告)
夏李 - とても面白かったです！でも爆豪のヒーロー名は爆心地かと、 (2019年5月10日 18時) (レス) id: 663d9c3cae (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわわたあめ♪(プロフ) - 涙腺崩壊…ほんとにやばい、面白すぎ！完結おめでとうございます！ (2018年7月23日 17時) (レス) id: 770379ee24 (このIDを非表示/違反報告)
Sena - 完結おめでとうございます！感動しましたー！姉弟愛が凄くよかったです。 (2018年5月23日 15時) (レス) id: dfb791a807 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - ありがとうございました!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2018年5月20日 16時) (レス) id: 0c5a8c4f79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よる。 | 作成日時：2017年10月20日 19時
