姉愛［269］｡育成方法｡ ページ19
AFO.side
｢さて、やるか｣
何年越しかの闘いだ。無理という名の負荷をこの躰に押し付けたくは無いけれど、今回ばかりは仕方ないね。待ちに待った今日だもの。
Aちゃんにプレゼントしてあげた、あの個性のお披露目会だもの。
｢ふふ…楽しみだなぁ。ねぇ、No.4｣
｢こ………いつ…｣
｢いやはや流石だ！ 僕は全員まとめて吹き飛ばしたつもりだったんだけれど、瞬時に逃がしてくれたね｣
地位に見合った判断力だ。
素直に賞賛したいと思ったよ。
掌をぱちぱち叩いてその意思をを示した。
｢けれど、ね｣
塵程度しか残っていない力を振り絞り、何を思ったのか強い瞳を燃やすベストジーニスト。
無数の糸を僕へ突きつけようとする。
駄目だね。見苦しいよ。
…見えないけれど。
｢君のはいらないな｣
だから腹を裂いた。
彼は呆気なく、後頭部から崩れ落ちた。
｢……さて｣
僕が何か発す度、生唾を飲み込む気配がする。
ざっと五人かな？ どれもまだまだ青いね。
Aちゃんによく似たそれが一つある。
嗚呼、例の弟か。丁度いい。
｢そろそろ来る頃かな｣
言った途端、液体特有の軽やかな音が聞こえた。バシャっと零れる感じの。
｢ゲッホ!! くっせぇぇ…っ｣
大切なコマのお出ましだ。
｢悪いね爆豪くん｣
｢あ！？｣
物騒な声で僕を睨む彼の背後に、ゾロゾロとコマが落ちてきた。
いち、に、さん、よん、ご、ろく、なな、はち。
｢ぐぇっホ…！ なっ何この黒いの！？｣
｢っはァ、ど、何処だここ…｣
きゅう、じゅう。
｢テメェら!!?｣
｢あっ勝己くん…！｣
｢爆豪！ 無事…じゃぁないな｣
爆豪くんは、風磨くんと剣楽くんを目にすると瞳孔を開いて目一杯驚き。
風磨くんは、爆豪くんの姿に安心の色を滲ませ。
剣楽くんは、状況を瞬間に把握し冷や汗を流した。
…どうして二人とも目尻が赤いのかな？
｢っ！ 貴様は……｣
異様でも目の当たりにしたかのように剣楽くんが声を震わした。とってもいい反応に心が踊りそうになる。
何とか持ち直して、弔へ顔を向けた。
｢先生…｣
｢いいよ弔。腹が立っているんだね｣
｢ムカつく、ムカつく｣
｢失敗してもやり直せばいいんだよ。だから大丈夫。その為に僕がいる｣
あの時のように手を差し伸べた。
こうやっていれば、この子の憎悪と巨悪をもっともっと育て上げることが出来る。僕も学んでいるからね。
この世界は、全ては、
｢君と｣
Aちゃんの為にある。
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みるくてぃ(プロフ) - 電車で完結まで見たのですが、涙が止まりませんでした。本当に大好きな作品です！また読み返そうと思います！ (2021年6月29日 12時) (
レス) id: 850a94406b (このIDを非表示/違反報告)
夏李 - とても面白かったです！でも爆豪のヒーロー名は爆心地かと、 (2019年5月10日 18時) (レス) id: 663d9c3cae (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわわたあめ♪(プロフ) - 涙腺崩壊…ほんとにやばい、面白すぎ！完結おめでとうございます！ (2018年7月23日 17時) (レス) id: 770379ee24 (このIDを非表示/違反報告)
Sena - 完結おめでとうございます！感動しましたー！姉弟愛が凄くよかったです。 (2018年5月23日 15時) (レス) id: dfb791a807 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - ありがとうございました!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2018年5月20日 16時) (レス) id: 0c5a8c4f79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よる。 | 作成日時：2017年10月20日 19時
