姉愛［264］｡現状認識｡ ページ14
涼羽side
───深い夜。
最悪の報告を受けた。
｢…そう、ですか｣
終了ボタンをタップし通話を切った。
Aちゃんが合宿に出掛けた約26時間後に姿を消したなっちゃんは、やっぱり向かっていたらしい。合宿拠点に。
あれだけ行かないで待とうねって言ったのに。
Aちゃんの事となると堪え性が無くなるなっちゃんだったけど、今回は特別酷かった。
だって実際に行っちゃってるんだもん。
…Aちゃんの為に。
って今まで我慢出来てたのに。
｢……ッはぁ｣
勝己くんは敵に連れて行かれて。
Aちゃんは精神的ダメージを受けて療養して。
なっちゃんは勝手な行動を相澤先生に叱られて。
その先生達はマスコミに囲まれて記者会見に向かって。
オールマイト率いるその他の先生は、今頃…。
携帯を握る手の甲を額に当てた。
クラクラする。どうしよう卒倒しそう。
そんな僕の目眩を打ち消すように黒髪丸頭が早足でやって来た。手にはフルーツの詰め合わせ。どれもAちゃんの好物だった。
｢涼羽、悪い。待ったか｣
｢うん｣
｢…本当にすまない｣
僕達はAちゃんのお見舞いに来ていた。
ううん、お見舞いって言うのは建前で本当は見張るため。勝己くんを助けに行こうとか何とかして無茶してこの病院から抜け出したりしないようにするため。
そんで、西宮お兄さんの近況について話すため。
｢……入るか｣
｢……うん｣
｢涼羽、お前｣
｢大丈夫。多分怒鳴らないからさ｣
僕の静かな怒りに気づいたらしい。
なっちゃんが、宥めるような視線を向けてくる。
｢失礼します。Aさん｣
軽くノックをしてから丁寧に足を入れた。
白い病室と、窓に広がる外の闇夜と、Aちゃんの赤い髪がどうしてもミスマッチだった。ブリキのような美人が僕達を虚ろに見やる。
こんなに嗚咽を蓄えたのは、あの時以来だ。
｢Aさん、具合はどうですか？｣
｢……｣
｢これ良かったらどうぞ｣
負けじとフルーツの詰められたバスケットを差し出すなっちゃん。
でも、Aちゃんは相変わらず錆びている。
｢Aちゃん。西宮お兄さんのことなんだけどね｣
｢！ ……そうすけ？｣
｢うん。自宅も実家も探って聞き込みもしたらしいんだけど、手掛かりは一切無しで今も消息を立ち続けてるの。…全く見つからないの｣
包み隠さず言った。
Aちゃんは縋るように、訊いてきた。
｢かつきは……｣
僕は、躊躇しなかった。
｢攫われたままだよ｣
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みるくてぃ(プロフ) - 電車で完結まで見たのですが、涙が止まりませんでした。本当に大好きな作品です！また読み返そうと思います！ (2021年6月29日 12時) (
レス) id: 850a94406b (このIDを非表示/違反報告)
夏李 - とても面白かったです！でも爆豪のヒーロー名は爆心地かと、 (2019年5月10日 18時) (レス) id: 663d9c3cae (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわわたあめ♪(プロフ) - 涙腺崩壊…ほんとにやばい、面白すぎ！完結おめでとうございます！ (2018年7月23日 17時) (レス) id: 770379ee24 (このIDを非表示/違反報告)
Sena - 完結おめでとうございます！感動しましたー！姉弟愛が凄くよかったです。 (2018年5月23日 15時) (レス) id: dfb791a807 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - ありがとうございました!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2018年5月20日 16時) (レス) id: 0c5a8c4f79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よる。 | 作成日時：2017年10月20日 19時
