今夜も君と見る夢を望んでしまう (ページ7)

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『お前の事、ただの幼馴染としてしか見てなかったん高校までや。

知らん間にどんどん綺麗なって、その度に焦って、

存在もせえへん誰かに嫉妬までして。

今むっちゃ恥ずいわ俺。』

目線を逸らして気恥しそうにする晋ちゃんが愛おしくて

堪らなくなって、その首に抱き着いた。

「っ.....、ほんっまにアホや....！！！

自己完結させようとしとんのは晋ちゃんの方やんか！！」

『ほんまやな』

抱き締めたまま優しく頭を撫でてくれる手を握って、

しっかりと目を合わせた。

緊張する心を落ち着けて、今まで我慢し続けた言葉を伝える。

「っ......晋ちゃんが好き！

全然王子様なんかやないし、意地悪ばっかりするし、

すぐ小学校みたいな下ネタ言うし、女心ひとつも分からんけど....

それでも、うちは晋ちゃんしか考えられへん。」

『お前....、ほとんど悪口言うてるやん笑笑』

「ほんまの事やんか。

......それよりも、晋ちゃんは...どうなん？」

何せ10年以上の片想いだ。

気持ちが通じていると分かった今でも

今ひとつ確証が持てず、不安になってしまう。

そんな私を見兼ねてか呆れた様に、

そして愛おしそうにそっと頬に触れた。

『そんな露骨に不安な顔すんなや笑

.......大丈夫やって、俺もちゃんと好きやから。』

ずっとずっと欲しかった言葉だ。

晋ちゃんは今まで見た事の無い表情をしている。

愛おしさを含んだ、”好きな人”に向ける顔だった。

夢のようで、まだ実感の湧かないこの幸せを

1秒でも早く確信に変えたくて、

ぎゅっと、更に強く腕に力を込めた。

泣きじゃくる私を抱きしめ返す体温が逃げてしまわない様に。

＿＿＿＿＿Fin