雪解けに最後の接吻を K.T (ページ9)

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世界が広がるページ9

…

『聞けば』
『ん…なにこれ。』
『イヤホン』
『そんなことは知ってるよ』
『聞けば？って言ってるの』
『ん。』

彼が私の耳にはイヤホンをグリっとめり込ませた。

『よし』
『んね、何この曲。』
『ハードロック』
『え、興味ねぇ』
『はぁ？まぁ聞いてみろや』

…

音楽を聞いている最中、私はほかのことばかりが頭にあった。
あぁ、この人私に悪口聞かせないためにイヤホン耳に入れてくれたんだなって。
でも、同時に彼に私がそういう状態になってるって事がバレたんかな

『じゃあ、美香先生ばいばーい』
『はいはい。じゃあね』

…

スポッ

私の耳から異物が抜かれた。

『うおっ、』
『返せや。』
『はいはい。どーも。』
『へぇ、あんたっていじめられてんだ？じゃあさ…』

は？

コノヒトナニイッテンノ

『…だからなんや』
『え？』
『だからここ来たん？』

うわ、図星…

『む。だから何よ』
『へー、』
『なんか、君って以外に明るいんだね。しかも、関西弁だし』
『関西弁はなぁ、あんま外で使いたくないねん』

そう言う彼の顔はなぜだか少し苦しそうで私は顔を背けることしか出来なかった。

『お互いあるよね…まぁ、頑張ろうよ。』
『なんや、むかつく。』
『あたしだって、…年下なのに…むかつく』
『年下なのはしゃーないやろ』