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Aside
「二階堂くんは、何の仕事してるの？」
「んー、建築かな。まだまだ下っ端だけど。」
「建築かあ、すごいね。」
「そうかな。朝とかあんまり早くないから、朝は俺が来るよ。」
「うん、わかっ...
「あ、でも。帰りっていつも何時くらい？」
「んー、日によるけど、20時とかかな？」
「そっかあ。じゃあ俺、夜も来る。」
「え、なんで？」
それ私、来る意味なくなるじゃん。
「だってここ、夜暗いし。」
、、、、
「心配、してくれてるの？」
自惚れじゃなければ、そうだよね。
「そりゃあね。」
恥ずかしいのか、フイッと目をそらす二階堂くんをつい撫でてしまいそうになる。
「ありがとう、でも大丈夫だよ。」
「何が？」
何がって、、
「変な人に捕まったりしないから。もし、怪しい人いたら全速力で逃げるし！」
結構足速いんだよ？ってふざけてみても、彼の目は逃してくれなくて、
「だめだよ、絶対だめ。Aちゃん、危なっかしいし。」
「そ、そんなことないよ！」
「俺が来ちゃダメなの？」
またその目。
ずるいよ、それ。
「ダメじゃないけど、」
「じゃあ決まり。今日はもう遅いし帰ろう。送るよ。」
「うん、、えっ、いいよ！大丈夫！」
慌てて立ち上がると、隣の彼もゆっくりと立った。
、、溜め息をつきながら。
「ここほんと暗いし、街灯もないし、危ないから。送らせてよ。」
さっきまで同じ目線だったのに、今はもう見上げてる。
なんでそこまで心配してくれるんだろう。
意外と心配性？
「ふふっ。」
「何笑ってんの。」
「ううん、ありがとう。」
私たちを見つめる子犬に別れを告げて、2人で歩き出した。
「おはようございます。」
「おはよう、早いね。」
「おはようございま〜す。え、Aがいる、こわい！」
「そんなびっくりしないでよ。」
「だって、年に何回よ。Aがこんな時間に会社いるの。」
「そんな珍しくないでしょ！それより、ごめんね昨日。」
「あ〜全然！すごい簡単な仕事だったから逆にびっくりした。佐々木さん、あれぐらい自分でやればいいのに。」
佐々木さんていうのは、昨日私に仕事を頼もうとしてた人。
ベテランの優しいおばちゃんなんだけど、最近よく仕事を頼まれる。
「Aは優しすぎるんだよ。ほんとに嫌なときは嫌って言いなよ？」
「、、うん。」
それが出来てたら悩んでないんだけどなあ。
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作者名：ちーず | 作成日時：2019年11月21日 21時
