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Aside

「ああああああ、どうしよう〜、、」

どうせなら記憶が飛んでくれてたらよかったのに。

しっかり覚えてる。

お酒の勢いだったとはいえ、彼に抱きつくなんて、、

ただ、何を言ったのかはよく覚えていない。

「もう嫌だ、消えたい、、」

とか言いながら、もうこの角を曲がればいつもの場所。

あんな恥ずかしいことしておいて、まだ会いたいと思ってるなんて。

あー、いる。

彼の姿があることがこんなに気まずいことなんて初めてだ。

「Aちゃーん!何してんのー!」

私に気づいたらしい彼が大きな声で叫ぶ。

たぶんそれうるさいよ、朝から。

「、、おはよ。」

「おはよう!ねぇ、今日暇?」

「え?今日?」

何そのキラッキラした目は。

「暇だけど。」

「やった!一緒にチョコの散歩行こ!!」

後ろに音符マークでもついてんじゃないかってくらい楽しそうな声。

よかった、いつも通りで。

「うん、行く。」



一応服を着替えて、2人並んで歩く。

いつも通ってる道なのに彼が隣にいるだけですごくワクワクする。

って、何この漫画じみた気持ち。

恥ずかし。

チラッと隣を盗み見ると、チョコを抱きながら楽しそうにしてる。

「2人で散歩するの、いいね。」

自然と口から出た言葉。

こんなのいつもなら二階堂くんが言うセリフなのに。

「珍しいね、Aちゃんが言うの。」

「、、うん。」

「どしたの今日。素直でかわいい。」

「な、何言ってんの!ばか!」

あー、だめだ。やっぱりこの人には敵わない。

こんなことを何の意図もなく言っちゃうだろうな。

、、、ほかの女の子にも。

「はは、ごめんごめん。」

絶対今真っ赤だ。

顔も耳も、全部が熱い。

「建築の仕事って、、男の人ばっかり?」

「んー、そうだよ。女の人はほとんどいないかな。だから、最近関わってる女の子ってAちゃんくらい。」

「そっか。」

ほとんどいない、に不安になって。

私くらい、に嬉しくなる。

「なんで?」

「いや、、別に。」

今顔を見られたら絶対見抜かれてしまうから、顔を逸らしたのに。

「Aちゃん、ほんとにどしたの。」

簡単に気づかれちゃった。

「、、分かんないよ。」

嘘。分かってる。

好き、なんだよ、きっと。

でも、こんな反応、もう言っちゃってるよんなもんだよね。







そのあとは少しだけ気まずくなったけど、また行こうねって約束して終わった。

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作者名:ちーず | 作成日時:2019年11月21日 21時

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