曖昧な終わり方 ページ45
2 side
2「手嶋さん!!」
打ち合わせが終わってすぐに手嶋さんを呼び止める。
マ「ん?」
2「あいつに何言ったの。」
マ「え?、、あぁ、Aちゃん?どした?」
2「、、別れた。」
マ「あぁ、、」
なんだよ、その顔。何で驚かないんだよ。
あいつもあいつで突然すぎるし。
正直、別れを告げられたことはそんなに驚かなかった。
だろうなって感じ。いつか言われると思ってたから。
いろいろ無理させてたし、俺自身も絶対に別れたくないっていう強い思いもない。
だけど、なんでこのタイミングで。
手嶋さんとあいつん家に行ったっきり会ってなかったから、ほんとに思い当たる節がない。
だとしたら、何か知ってるのは手嶋さんしかいなくて。
マ「別に俺は何も、って言ったら嘘になるかな。」
何笑ってんだよ、、
2「別れろとでも言った?脅した?」
マ「そうでもしない限りAちゃんが俺を振るはずがないって?すごい自信。」
2「別にそんなことはっ、、」
なんなんだよほんとに、何が言いたいんだ。
マ「Aちゃんはすごくいい子だし、僕は2人を心から応援してる。僕から言えるのはこれだけかな。」
マ「それと、ニカはもっと真剣に向き合うべきだと思うな。楽だからとか言ってるけど、ほんとにそれだけ?」
ますます訳が分からなくて何も言えないでいると、じゃあね、と言って行ってしまった。
応援ってなんだよ、もう終わったんだよ。
俺は真剣に向き合ってたつもり。
そんな遠回しな言い方じゃ分からないんだけど。
あいつ、手嶋さんに何言ったんだろう。
もしかしたらずっと俺と別れたかったのかもしれないな。
あいつが何で悩んで、何に苦しんでたのか何も知らない。
何も、知らないんだ。ダメな彼氏だよな。
もう、忘れよう。
俺がこうやって引きずってる間も、あいつはとっくに俺のことなんて考えてないかもしれない。
やっぱ俺には恋とか、愛とか、そういうのはよく分からない。
無理にそう思おうとしたのがダメだったのかもしれない。
恋なんかじゃなかった。好きなんて、あるわけないんだ。
2「アホらし。」
それからの俺は、周りから見るとキツくなったらしい。
自分では全く変わらないけど。
いろんな人に言われるようになったのは、「前のお前に戻った。」だって。
前の俺っていうのはつまり、あいつに出会う前のことなんだよな。
もう一生、関わることはないだろうけど。
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作者名:ちーず | 作成日時:2017年10月16日 19時