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久々の声 ページ36

Aside

2「もしもし」

あ「あ、あの、私です!」

2「ふっ(笑)知ってるけど。」

あ「そうですよね(笑)昨日は電話出られなくてごめんなさい!」

2「いや、遅い時間だったし。」

電話の向こうの彼は今、どんな表情をしてるんだろう。

1か月も会えてない上に、電話すら最近はできてなかった。

直接聞くより少し低い彼の声に、なんだか涙が出そうになる。

あ「何か用事でしたか?」

2「いや、、別に。」

急に歯切れの悪くなった彼、、

いや、でも二階堂くんがそんなこと言うはずはないし、、

小説だったら、次の一言はもう決まってるんだけど。

しばらく読んでなかったはずなのに、まだ小説脳な私の頭では既に妄想が始まっていた。

2「、、、、から。」

あ「え?」

だめだ、妄想しすぎて二階堂くんの言葉を聞き逃した!!!!

2「最近電話できてなかったから、、」

あ「、、から?」

ドクドクドク

2「声、忘れそうで。」

あ「、、は?」

2「は?」

声忘れそうだから電話したの?声忘れるってなに?

そんな、何十年も声を聞いてない訳じゃないのに。

あ「ふふっ(笑)」

2「何笑ってんの。」

あ「二階堂くんらしいなと思って。」

2「ばかにしてる?」

あ「してないですよ、なんか安心しました。」

2「意味がわからない。」

あ「分からなくていいんです。ふふ。」


ほんとはちょっとだけ、お前の声が聞きたくなった、とか言うのかと期待しちゃったけど、

それはやっぱり小説の中だけだったみたい。

でも逆に、二階堂くんが無駄に甘々じゃなくて良かった。

嫌な考えばかりで沈んでたのに、彼の声を聞いてる時間だけは忘れられる。


あ「次、、」

2「ん?」

あ「あ、えと、アルバム買いますね!」

2「あー、うん。」

次はいつ会えますかって、、聞けなかった。

2「ツアー、あるから。」

あ「え!?」

2「夏に。」

あ「それ、私に言っちゃっていいんですか?!」

2「まぁ、お前ならいいかと思って。」

それって、どういう意味?

私が口堅そうだから?

それとも、、彼女だから?

2「おい。」

あ「へ?」

2「すぐ自分の世界いくな。」

友達とか親によく言われることなのに、彼に言われるとこんなに嬉しいんだ。

あ「ふふ。ごめんなさい。」

2「今日はよく笑うな。」

あ「はい、二階堂くんのおかげです。」

2「そ。」


じゃあまた、って電話を切ってからも私は幸せな気分に包まれていた。

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設定タグ:キスマイ , 二階堂高嗣   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ちーず | 作成日時:2017年10月16日 19時

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