幸せの確認 ページ28
Aside
夢じゃなかったんだ。
目を覚ましてすぐにリビングに行き、彼がいることを確認する。
彼のそばに寄り、じーっと顔を見つめる。
2「気持ち悪い。」
あ「えっ!?」
すやすやと眠っていた二階堂くんの目が突然開き、至近距離で目が合う。
2「何ニヤニヤしてんの。」
はっとして、自分の顔を手で覆う。昨日のことを思い出していたら、つい頬が緩んでたみたい。
あ「いつから気づいてたんですか!?」
2「お前がそこ座ったとき。」
あ「最初からじゃないですか!」
むくっと起き上がると、うるさい、と言いながらその大きくてきれいな手が私の頭にずしっと乗っかった。
昨日といい、今の行動といい、、二階堂くんの大胆すぎる言動に心臓がいちいち止まりそうになる。
あ「今日はお仕事ないんですか?」
2「んー、昼から。でも明日からは、死ぬほど忙しくなるだろうな。」
手の温もりがなくなった私の頭を、今度は冬の冷気が撫で付ける。
明日からの怒涛の日々を想像してか、嫌そうな顔をする二階堂くんだけど、
着ているツアーTシャツのせいで、なんだかシュールな画になっている。
でも、私の持ってる服で彼が着られそうなのはその一枚だったんだから仕方ない。
あ「それ、寒かったですよね、、」
2「え、ああ、別に。」
嘘つき。鳥肌立ってますけど。
強がりなのか優しさなのか、どちらにせよ可愛い嘘に変わりない。
あ「昨日の服、もうすぐ乾くと思います。」
2「ん。」
あ「あの、、」
2「?」
あ「昨日の、ことなんですけど、、」
あ「、、、あの、お付き合いするってことですかっ?」
こんなこと確認するのはおかしいけど、彼の立場が特別だから、もしかすると、お互いの想いを知った上でそのままってことも、、、
2「俺はそのつもりだけど。嫌?」
珍しくまっすぐ私の目を見て言ってくれる。
あ「い、嫌なんかじゃないです!嬉しいです!、、ほんとに、、」
なんか、私ばっかりテンパってて、恥ずかしくなる。
二階堂くんはなんでいつも表情が変わらないんだろう?
って思った矢先、「良かった。」と少しだけ目を細める彼をみて、胸の奥の方がぎゅぅってなった。
2「じゃあ、行くわ。」
あ「頑張ってください!テレビ、全部みますね。」
寂しい気持ちがないわけないけど、やっぱり嬉しさが勝る。
落ち着いたら私が1番に、お疲れさまですって言いたいな。
108人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちーず | 作成日時:2017年10月16日 19時