好きの意識 ページ24
Ki side
まさか二階堂に好きな人がいるとは思わなかった。
いや、好きかどうかは分からない。
こいつの話は所々曖昧で、こいつ自身、自分の気持ちがよく分かってないんだと思う。
だからこんなに苦しそうなんだ。
でも俺が見る限り、必死に何かを隠そうとしてるようにしか思えなくて、
二階堂の中で、もう答えが見え始めてるのかもしれない。
2「考えたことはあるんだ。俺、こいつのこと好きなのかなって。」
2「でも、なんかすげえ悪いことのように思えて、、」
2「千賀を否定するわけじゃないけど、彼女なんて、俺にはあり得ないし、必要ないと思ってた。」
s「俺もあったよ、そういう時期。」
s「でもそれって、ちゃんとその子のこと好きってことだよね。」
俺も、千賀と同じ意見だった。
s「葛藤してるってことは、自分がその子を好きだってこと分かった上で、それを認めたくないから苦しいんだよね。」
二階堂の拳に、力が入っていく。
s「俺は、今の彼女と付き合って良かったと思ってる。」
s「たしかに、ファンの子に申し訳ないと思ったときもあるし、もしバレたらっていう心配もずっとある。」
s「でも、その子のおかげで頑張れるんだよね。二階堂もそういうこと、ない?」
千賀の優しい口調に、二階堂の拳が緩められていく。
2「、、ある、かも。」
s「だよな〜!わかるわかる、俺の彼女もさ、
Ki「惚気んなよ。」
千賀が急にいつものテンションになり始めたから、慌てて釘を刺す。
s「あ、ごめん(笑)でもさ、それって大事じゃない?せっかくそんな存在見つけたのに、我慢して、でも気になって、、って、俺もったいないと思う。」
俺いいこと言ったでしょ、とでも言いそうな目で俺を見てきた。
まあ、たしかにな。
Ki「千賀の言う通りだと思う。二階堂にとってプラスになる存在なら、いいんじゃないのか?」
2「そう、、なのかな。」
s「珍しいよね、二階堂が恋とか。」
2「なあ千賀。好きってなに?」
は?
Kis「「ぷっ(笑)」」
乙女のような発言に、千賀と顔を見合わせて吹いてしまった。
それでも二階堂の目はいたって真剣で、それがまた面白い。
s「たとえば、不意に声が聞きたくなったり、会いたくなったり。相手が笑ってると嬉しかったり?」
2「、、、全部だ。」
思った以上にその子にのめり込んでることに、俺と千賀がまた吹いてしまったことには二階堂は気づいていない。
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作者名:ちーず | 作成日時:2017年10月16日 19時