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俺と俺 ページ3

2 side

帰るとまずシャワーを浴びる。これは俺の鉄則。

2「あ〜、疲れた。」

まだ濡れている髪を拭きながら、何気なくテレビをつける。

『キスマイBUSAIKU〜?!』

2「あ」

普段は自分が出てる番組は絶対見ないけど、今日はなんか違った。






2「テンション高えな、俺。」

テレビの中の俺はいつもそう。

別にあれは頑張ってやってるわけじゃない。

ほんとに楽しくて笑ってるし、ついつい声も張ってしまう。

だから、今の仕事が自分に合ってるんだと思う。



かと言って、プライベートが楽しくないわけじゃない。

ただテレビみたいにはしゃがないだけで。

だから、どっちも俺の素で、使い分けるなんてそんな器用なことはできない。

自分でもその差はやばいと思うけど、、、

プライベートではあんまり喋らないかな。

メンバーといるとき以外は。





だから、

今日みたいなことは困るんだよね。

ファンの子が嫌いなわけじゃない、寧ろ感謝してるし、大切にしたい。


でも、今日はプライベートだから。


言い方悪いけど、ファンの子が好きなのはテレビの中の俺だろ?


勝手に幻滅されたり、キレてるとか思われるの、もう何回も経験してるから。


だから、あの期待した瞳は苦手。


どうせその期待には応えられないから。




まあ全部、自分がそうさせちゃってるんだけど。


2「あの子、、」

Aちゃんだったか。

今何をしてるんだろう。

俺と同じでこれを見てるのか、

今日の俺に幻滅してるのか、

会えたことに喜んでくれてるのか、

、、もう俺のことなんか考えてないか。




2「何考えてんだ。」

そんなこと気にしたところで、

あの子が俺を嫌いになるかどうかはあの子の自由な訳で、

意味なんかない。



というか、何をそこまで悩んでんだ?

もうあの瞳には慣れたはずだった。

あの、驚きと疑問が混ざったあの瞳。

失望の瞳。







まあ、もうきっと会うことはない。

会っちゃいけない。

、、それがなんでか、自分でもよく分かんねえけど。

とにかく、もう会ったらだめな気がするんだ。






2「楽しそうだな、お前。」


テレビの中の自分に嫌味を吐いて、寝室に向かったけど、



今日はなぜか珍しくなかなか寝付けなかった。

再会→←あの子



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設定タグ:キスマイ , 二階堂高嗣   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ちーず | 作成日時:2017年10月16日 19時

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