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異能は月下獣        12 ページ16

スッと目を細めて鏡花ちゃんを見た。


何もわからないし、何も伝わってこない、無の表情をした鏡花ちゃん。




「私をどこへ連れて行くの」




再度そう尋ねてくる。


表情を一切変えずに、同じ声色で。



警戒心の強い猫みたいだなぁ、なんて思ってしまった。


芥川さんも、樋口さんも……ポートマフィアの人たちはそういう人が多い。


あくまでも私の考えだけれど。




『……友達同士で、遊びに行くようなところ』




前世では、そんなところ行った事ない。


ずっと家に閉じこもっていたから。



だから、どうすればいいのかは判らないし

何処に行けばいいのかもあまり詳しくないのも事実。


だけど鏡花ちゃんの為なら、頑張ってみる価値はあるだろう。




『今日は、仕事休みなの。……貴女、外出して遊ぶ事なんて

あまり無かったでしょ? 今日くらい、私と一緒に……羽を伸ばしてみよ?』




本当は、私がやりたいだけなのかもしれない。


少しでも、“友達ごっこ”をしてみたいだけ。



ごめんね、鏡花ちゃん。


まるで貴女を利用してるみたいになっちゃうけど……。



でも私、鏡花ちゃんとはお友達になりたいから。


貴女が闇であろうと、私には関係ない。


友達になるのに、そういうのって関係ないでしょ?



じっと鏡花ちゃんを見れば、彼女も此方をじっと見つめる。




『クレープ食べたり、ゲームセンターに行ったり……どう、かな?』




ゲーセンには絶対に行きたい。


だって、鏡花ちゃんに兎のぬいぐるみをあげたいもん。




「行く」




やったぁ……!!



これで、鏡花ちゃんといろんな所に行ける。


まぁ時間は限られてるから、そんなに沢山は行けないけど。



あぁ、そう言えば芥川さん来ちゃうんだったっけ。


痛いの嫌なんだけどなぁ……。



幾ら私が能力をコントロールできるといっても

何時でも怪我を治せるわけじゃないし、虎の姿になれるわけでもない。


前回戦った時に虎になれたのは、マグレと言っても良い程。


しかも意識があったのも、偶然に過ぎないのだ。



はぁ、と内心溜め息を吐きながら、私は鏡花ちゃんと歩き出した。

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ウミソラ(プロフ) - とても面白かったです!!続き楽しみに待ってます!!! (2018年10月22日 18時) (レス) id: f06a1e9de4 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^読んでいて、楽しかったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2017年11月13日 22時) (レス) id: 8c0a96a096 (このIDを非表示/違反報告)
大吉 - 面白いです!続き楽しみにしてます!! (2017年11月2日 14時) (レス) id: 565b1876f3 (このIDを非表示/違反報告)
ユリオLOVE - 中島ちゃんに鏡花ちゃんマジかわゆすこの小説大好きなので最新楽しみにしてます! (2017年8月26日 8時) (レス) id: b580a56628 (このIDを非表示/違反報告)
瑞祥(プロフ) - シュガーさん» コメントありがとう御座います!そう言っていただけると嬉しいです! (2017年7月30日 13時) (レス) id: 099595ab61 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑞祥 | 作成日時:2017年7月1日 9時

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