第１話 超能力者死す ページ1
斉木side
僕の名前は斉木楠雄､超能力者である。
自己紹介をしたが、それはもうすぐ意味をなくすだろう。何故ならもうすぐ僕は死ぬからだ。
一ヶ月前､僕はあろうことかある科学者に半径200m以上離れた場所で超能力を見られてしまった。
テレパシーが届かない範囲ということもあり、奴らの動きに気づけずに両親を人質に取られ、僕は大人しく捕まるしかなかった。
そこからは正に地獄のような日々だった。毎日滝のように流される電流、麻酔なしで行う人体実験、そして満足に与えられない食事。
僕の体は既にボロボロで、超能力を使うための気力も体力も残されていなかった。
おっと､もう読者にテレパシーを送ることも無理なようだな・・・。
僕は沈み行く意識と消えていく自らの命を感じながら、静かに目を閉じた。
No side
ここは日本にある研究所。
門の回りには多くの人々が集まり、皆研究所の中へと侵入しようとしていた。全てはそう―――――斉木楠雄を取り戻すために。
彼の家族は勿論、彼と共に時を過ごした友人達も集い、更には学校のマドンナ照橋心美を守るべく結成された照橋ファンクラブ、通称ここみんズの面々も揃っていた。
彼等は楠雄の兄空助とここみんズに入会している政治家が手にいれた武器を駆使して、途中で現れた研究員達を倒していきつつ、必死に楠雄を探した。
楠雄を捕らえた科学者とその関係者は次々と警察に捕まり、遂に研究所の最下層にて楠雄を発見するに至った。しかし―――――――――――
「楠雄！しっかりしろ！！皆で助けにきたんだぞ！？」
「くーちゃん！お願い目を開けて！！」
「斉木さん・・・そんな・・・」
――楠雄は冷たい床に横たわり、動かなかった。父國春が体を揺さぶっても、母久留美が呼び掛けても彼は目を開けない。
霊能力者である鳥束も彼の霊はいないと告げた｡
遅かったのだ。
地上で彼の帰りを待っていた者達は、彼の変わり果てた姿に目を疑い、嘆いた。
たった二人、燃堂と海藤だけは涙を拭い、楠雄の近くにそれぞれコーヒーゼリーと手紙を置いた。
「これ・・・相棒が帰ってきたらあげようと思ってたんだ。相棒の大好物だろ、これ。」
「俺のは、皆で思いを込めて書いた手紙です。斉木が帰ってきたら、俺が読み上げようと思っていたんです。」
二人はその場で合掌した。
「間に合わなくて悪かったな・・・相棒」
「せめて、安らかに眠ってくれ。・・・斉木」
こうして、斉木楠雄の一生は幕を閉じた。
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レープレ(プロフ) - そんなに喜んで貰えるなんて嬉しいです！受験の関係上、バレンタインデーまで更新できませんが、気長に待っていただければ幸いです！ (2017年1月17日 17時) (
レス) id: c072414a5d (このIDを非表示/違反報告)
あさり@食べないで！(プロフ) - とても面白かったです！サイサイとリボーンのコラボ、結構読みたいとは思ってたんですけど、ないだろうなぁーって思ってたんで。嬉しいです！のんびりでもいいので、更新待ってます！ (2017年1月17日 15時) (レス) id: f600c03643 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レープレ | 作者ホームページ：http://repure
作成日時：2016年12月17日 18時
